K

□久々知
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「ぎゃあああ!!!勘ちゃーん!!!」

「なに兵助うるさい…俺今寝に入ったばっかりなのに…ってうわっ!!?何してんの何で襟開いてきてんの!!ちょっとオイ!!!」

「だよな!!勘ちゃんに胸ある筈ないよな!!あまつさえボンキュッボンなわけないよな!!でもなんでじゃあさっき見た勘ちゃんは誰なんだよオォオ!!」

「だーかーら!!とりあえず手放して離れて!!気色悪いからこの体勢!!」

「うるさいな、い組のくせに何叫んで…」

「毒虫ならさっき回収終わったって言ってなかっ…」

「あっ!三郎!雷蔵!もー兵助何とかして!!」

「兵助…お前遂に男で卒業しようと…。にしたって同室の同級生はないだろ。流石の私もひくぞ。」

「あの、兵助…悪いとは言わないけど、一応相手の了承くらいは…。」

「ちっげええぇえ!!!変な誤解すんなよっつーかそれどころじゃない!!」

「だから、さっきからなんなんだよ取り乱して。」

「風呂場で勘ちゃんの体が女だったんだよ!!!」

『……兵助…。』

「だから変な誤解に持ってくなってー!!」







と、暫く思い切り取り乱したお陰で頭が冷えて、俺はようやく盛大に誤解をしているコイツらに説明をすることができた。

事の始まりは、八のとこのいつもの毒虫脱走騒動。回収を手伝ってたら風呂の時間を逃してしまって、普通なら五年はもうみんな風呂を使い終わった時間帯、湯も冷めてしまったけどまあ仕方ないかと、一人脱衣場に入ったその時だった。



「あれ…まだ誰かいる?」



奥の風呂場に灯った明かりを見つけて首を傾げる。よく見てみれば脱衣場の籠も一つ使用中のがあった。

珍しい時間に入る奴もいるんだなあと不思議にも思ったけど、それは今入ろうとしてる自分が言うことでもないなと思い直して風呂場に入った。籠の装束は普通に青だったし。



「あ、何だ勘ちゃんか。」

「んー?あ、兵助。」



湯船に浸かった後ろ姿は見覚えのある姿。黒くまとまりのある髪を揺らして振り返ったのはやっぱり勘ちゃんで、へらっとしたいつもの顔が俺を見る。



「早寝の勘ちゃんが珍しい。」

「兵助こそなんでこんな時間?」

「毒虫回収手伝ってた。」

「八は?一緒じゃなかったんだ?」


「最後に伊賀崎と数確認してる。」

「毎回大変だなー。」

「まー自業自得だろ。」



とか何とか言いながら、すっかり土にまみれた頭を湯で流して、わしわしと洗っている間に、ばしゃんと音を立てて勘ちゃんが風呂から上がる音がした。

まー大分前から浸かってたみたいだし、もう上がるんだな、と思いながら、後ろを通り過ぎる勘ちゃんに「じゃ。」と振り返りながら声をかければ、「じゃ。」と同じように返す声。

そう、それはいつもの光景。濡れた髪の水気を切り切り、脱衣場に消える勘ちゃん。


だから思わず、自分が目にしたそれは幻視なんだと、普通に髪を湯で流して、風呂に浸かって、寝着に着替えるまで、ほんと、錯覚だと思ってた。

そうだって。まさか勘ちゃんの体が、あんな巨乳で、引き締まったくびれしてて、綺麗な形の尻の女の体なわけ…


女の体なわけ………




「えああぁああ!!!!?」








「…ってわけで…。」

「パニクって勘ちゃんの体確認しに来たと。」

「そう。」

「…お前溜まってんじゃないか?」


「あっアホ!…でも冷静になったらそんな気もしてきた。」

「っていうか俺風呂なら飯食ってすぐ入ったし…ねむ…。」

「ええ!?いやついさっきいたじゃん!」

「ぐう。」

「寝るな勘ちゃんー!!じゃああれ誰だよ!あっ…まさか三郎!!?」

「私は体変えられないっつーの。しかも風呂なら尚…。」

「三郎?」

「…いやなんでも。」

「ん〜…兵助、やっぱり幻だったんじゃない?疲れて寝ちゃって夢見てたとか。」

「でもあのボンキュッボンが妙に生々しく目に焼き付いて離れないんだよ…!!」

「いいオカズ手に入れてラッキーと思っときゃいいじゃないか。」

「首から上が勘ちゃんじゃ抜けない…ってそういう問題じゃない!!」

「別に実害なかったんだしいーだろ。私はもう寝る。おやすみ。」

「あ、じゃあ僕も…寝て忘れるといいね。おやすみ。」

「っ…!!薄情者ーっっ!!」


















「いやあ、残り湯を少し頂くつもりが、失敗、失敗。」









風呂でばったり

(あんの痴女…。)

(?三郎?)


春花様リクエスト。有難うございました。


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