楽園の扉
□最初で最後
2ページ/4ページ
「それよりお前何しに来たんだ?もしかして仕事クビになったの?」
ミランダは少しきょとんと黙った後、少し苦笑いをして…
「違うわよ、仕事で近くを通ったから寄っただけ。もう直ぐ戻るわ」
「………」
そう、残酷にもミランダは言った
ああそうか、そう言えば連れの眼帯の兄ちゃんが言ってたな
(ミランダは遠くにいくんさ、多分この街に戻ることはないよ)
あの言葉がとても悲しくて、あの言葉は忘れたくて心の底に封印したんだ
そして、また思い出してしまった
「それじゃあもう戻るから、元気で遣りなさいよ」
まだ間に合う
言わなきゃ、早く言わなきゃ
俺は走り寄ってミランダに抱きついた
「ペ、ペーター?」
「……」
周りは驚いてる、ミランダはただ黙って俺を見ている
他人から見たら俺はただ母親に甘える子供見えるだろう、でも俺にとっては違う
「…好きだ」
「えっ…」
「ミランダ…あんたが好きだ」
ただ不器用で、イタズラでしか好意を伝える事ができなかった俺の…多分最初で最後の告白
突然ミランダはかがんで俺と目線を合わせ、俺の頭を撫でた
「あなたの気持ち、ちゃんと受け取ったわ」