楽園の扉

□最初で最後
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「それよりお前何しに来たんだ?もしかして仕事クビになったの?」

ミランダは少しきょとんと黙った後、少し苦笑いをして…

「違うわよ、仕事で近くを通ったから寄っただけ。もう直ぐ戻るわ」

「………」

そう、残酷にもミランダは言った

ああそうか、そう言えば連れの眼帯の兄ちゃんが言ってたな

(ミランダは遠くにいくんさ、多分この街に戻ることはないよ)

あの言葉がとても悲しくて、あの言葉は忘れたくて心の底に封印したんだ
そして、また思い出してしまった

「それじゃあもう戻るから、元気で遣りなさいよ」

まだ間に合う
言わなきゃ、早く言わなきゃ

俺は走り寄ってミランダに抱きついた

「ペ、ペーター?」

「……」

周りは驚いてる、ミランダはただ黙って俺を見ている
他人から見たら俺はただ母親に甘える子供見えるだろう、でも俺にとっては違う

「…好きだ」

「えっ…」

「ミランダ…あんたが好きだ」

ただ不器用で、イタズラでしか好意を伝える事ができなかった俺の…多分最初で最後の告白

突然ミランダはかがんで俺と目線を合わせ、俺の頭を撫でた

「あなたの気持ち、ちゃんと受け取ったわ」
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