文
□スキ?キライ?
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『向日さん、俺の事好きですか?』
日吉はいつもいう。
『なんでそんな事ばっかり聞いてくんの?』
俺はそれがキライだ。
『いや、だって…言ってくれなきゃ俺だって不安になるんですよ…。』
…不安?俺は日吉がスキだから一緒にいるのに。
『…日吉なんかキライ。』
ほんとは大好き。
横に座っていた日吉がいきなり俺を抱き締める。
『どうして…そんなにじらすんですか?』
日吉の低い声が俺を責める。
…恥ずかしいのもあるけど『…だって。今、レギュラー試合まっただなかのベンチぢゃん。』
ちなみに今、跡部vs樺地。
『人前なんか気にしないで下さい…フゥッ。』
なんと耳に息を吹きかけてきた!
『んぅっ…!』
『俺の事スキですか?』
『…っ!うっさい!バカ!』
こいつ今どれだけの奴らが見てると思ってんだよ!
スキとなかなか言わない俺に日吉は…
『向日さん…じらされてるこっちの身にもなってください!』
まだ俺が言うのを待っている。
バカだな…。
『はいはい。分かったよ。言えばいいんだろ。』
でも、こんな奴がスキになった俺もたぶんバカ。
『世界中で日吉が一番スキだぜっ!』