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□キスしたい!
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今日は日吉とデート。
都心の百貨店で俺の買い物につきあってもらった。
日吉も前から欲しかった本も買えたみたいだし。
各自買い物を終えて今日はもう帰ろうか、と階段で下の階に降りながらたわいもない話をしていたら、ふと、急にキスしたくなった。
「なぁ、日吉。」
「何ですか?向日さん」
(あ!マズイ!!!)
キスしようなんて言ったことない。
というか、俺と日吉との身長差じゃ…いつも日吉がしてくれなきゃ届かない…。今のこの状況じゃ、リードしたくてもできねぇな…。
「…なんでもない。」
「…???」
キスしたくなった岳人は考えた。
(ん〜…階段。そうだ!階段なら…!!!)
岳人は歩くのをやめて先に歩いていく日吉を見つめる。
ちょうど一段くらいがベストだと確認した。
「おぃ!ピヨシ!!そこの段で止まって後ろむいてミソ!」「さっきから何ですか…向日さ…「「ちゅっ。」」
岳人に呼ばれた日吉は後ろに振り向き…唇が軽く触れる。
「キッ…キスしたくなったんだ〜よ!日吉の唇いただきー!へへっ!!」
唇が離れ少し顔を赤くした岳人はそう言うと急ぎ足で先に階段を降りていった。
立ち止まったまま、まだ岳人の唇の温かさが残る唇に手をやり日吉は呟いた。
「…不意討ちにもほどがありますよ…。」
この後に岳人は日吉に追いつかれ家にお持ち帰りされたというのは言うまでもない。
END.