□君といる幸せ。
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今日は部活はない。
んでもって、超寒い。
こんな日は侑士は必ず岳人をうちに誘う。

「今日、俺んちで鍋やれへん?」
「あーいいぢゃん!!いいぢゃん!!一緒に材料買って帰ろうぜ!」

侑士と岳人は話ながら放課後の廊下を歩いていた。

と、そこに岳人の幼馴染みの二人が現れた。

「あ〜!岳っくん!!やっと見つけたC〜!!」
「はやすぎだろ…お前、授業終わってからH組までどんな勢いで走って来てんだよ…。」

ジローと宍戸だった。
なにやら岳人を探していた様子だ。

「そりゃ、侑士と一緒に帰りたいからに決まってんぢゃん!」
「岳っくん岳っくん、そんな事よりさ、この前に政治・経済のレポート作って出してたこと覚えてる〜?」
「え?あぁ、あの適当に作ったレポート?」
「…お前が授業終わったらすぐいなくなっちまったからよ。わざわざお前んとこの担任がやって来てお前に伝言残していったぜ。」
「伝言?何だよ??」
「レポートを今日中に作りなおして提出して帰れだってよ。」
「はい、これ前のレポート!」

ジローが笑顔でレポートを岳人に手渡す。
岳人はレポートを受け取り横に立ちさっきまで夕飯の話し合いをしていた相手を見る。
ふいに目があった。

「…とりあえず、岳人。今日はそのレポート仕上げて帰りや。」
侑士は目があったままそう言葉を発した。

「ほな…俺、先帰るわ。」

と、さらっと衝撃発言した侑士は目をそらし岳人に背を向ける。

「え?一緒にかえんねぇの?鍋やんねぇの?!」
岳人は背を向けて歩き出そうとしていた侑士にそう投げかける。いや、叫んだ。

「…頑張りや、岳人。」

侑士は後ろなど振り返りもせず、片方の手をフラフラと振って廊下を歩いて行ってしまった。


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