LOVE MAGIC

□MAGIC.2
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『えーっと…(超不本意ながら)テニス部のマネージャーになりました(本当は嫌だけど)山下莉奈です。(よろしくしたくないけど)よろしくお願いします』

「莉奈、副音声がバッチリ聞こえてるよ」


そっか。
この人黒属だから読心術出来るのか。
気にせず幸村君の言葉をサラっと流したら本人含め部員達が酷く驚いた顔した。
何?私変な事した?


「精市。とにかくレギュラーだけ残して後は練習させよう」

「そうだね。じゃあレギュラー以外は何時もの練習メニュー始めて!」


残ったレギュラー陣らしき人達…。
一応こんなんでも四天宝寺でマネしてたから何となく分かる顔が居る。


『あ、皇帝だ』

「む、何だ。俺の事を知っとるのか」

『うん。まあ』


今になってここのテニス部の事色々思い出してきちゃったよ。
時間はかかったけど全員の名前がやっと一致してきた。


『神の子って入院してるんじゃなかった?』

「無事退院出来たよ」

『おめでとう』

「ありがとう」


幸村君今は何だか白いや。
黒くなかったらいい人だと思うんだけどね。


「何で俺達の事知ってるんスか?」

『四天宝寺のマネージャーやってたから。だから自己紹介は不要だよ。二年生エース切原赤也君』


私の言葉に切原君は目を輝かせた。
うわあ。何かすっごい可愛い。
お持ち帰りしたいくらい!!


「でも四天宝寺のマネージャーは貴女じゃなかったはずですが?」

『そうだろうね。柳生君。私公式試合や練習試合には参加してないから。公式の場に顔出してたのは2年生の子よ』

「何でだよぃ」

『みんな過保護だから』


私の言葉に戸惑うみんな。
唯一意味が分かったのか幸村君と柳君は納得した様に笑ってた。


「先輩の事何て呼んだらいいスか?」

『好きな様にどうぞ』

「じゃあ莉奈って呼ぶぜ!」


ぎゃーぎゃーと騒ぐお子様コンビを見てふと笑みが零れた。
そして視界に入った一人の少年に目が留まった。


(仁王君……か)


全く話さない様子を見ると私の事を認めてないのだろう。
認められないのは辛い。





仁王君
あなたは私の虚像なの
あなたの死んだ目は、
私と全く一緒
だから私はその虚像を
壊そうと必死なの



そんな自分の姿は見たくないから






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