HELP ME!

□HELP.6 自殺志願者
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いつからか死にたいと強く願うようになった。
理由は、重荷やったんやと思う。
テニス部というレッテル、天才というレッテル。


でも1番は、あの人を越えられへんことにイライラしとった。


死にたいと思うようになってから、よく屋上に足を運ぶようになった。
フェンスに腰掛け、下を見る。
怖くなんてあらへん。ただ飛び降りる勇気がない。


いっそのこと誰かに俺を殺してほしい。
誰かに今すぐ突き落とされたら楽になれるんや。


そう思った瞬間体が宙に浮いた。
でも俺が望んどった方向じゃなく、体は屋上のコンクリートに叩き付けられた。


「…っ……ってえ……」

『光!何してんねん!』

「…またお前か。何か文句あるんか、莉奈」


腕を引っ張っられた先に目線を送ると、泣きそうな顔をした幼なじみの莉奈がそこにおった。
俺が屋上から飛べん理由はこいつが必要以上に俺を止めるっちゅうんもあるんかもな。


「何でお前はそんなに俺を止めんねん。放っとけばええやろ!」

『……ずっとずっと光と一緒におったのに、気付けへんかった。光のこと見とったのに…せやからうちが光を救ってやりたいんよ。楽にさせたいねん。なあ、どうしたら光は楽になるん?』


楽に…か。別に莉奈が気を遣うことあらへんのに。
でもそこまで俺を楽にさせたいんやな?


「なら俺を殺してや。こっから突き落とすだけでええねん。そしたら俺も楽になれるわ」

『い…やや…!光死んだらうちはどうすればええん?光に死なれたら困んねん…ゆっくりでええから、一緒にまた1からやり直そうや…』


俺に縋り付いて泣く莉奈を俺は苦笑いして抱きしめた。
耳元で、自殺志願無くすわ。と囁いた。


泣きながら頷く莉奈に俺はなぜか冷え切った笑いしか出てこんかった。


ごめんな?莉奈。
俺、やっぱ…



死 に た い わ 。



HELP ME!
(俺を助けて!)
(俺はまた彼女を苦しませる)
(大好きやで…光)
(せやから一緒に頑張ろう?)






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