for seven days

□THREEday
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今日の大阪はとにかく暑い。
最高気温34°でみんな死にそうになりながら授業を受けていた。


4時間目は体育で、本来この季節ならプールに入っても可笑しくない。
そのはずなのになぜか女子だけはバレーボールというイジメだ。
男子はプールなんだろうな…うらやましい!


4時間目のバレーボールの授業を汗だくになりながら終えた。
教室に戻ると、男子がもう戻っていて濡れている髪からは最高に気持ち良かったであろう事が想像できた。


いつもと同じように財前の分のお弁当を持ち、財前の元に向かう。
財前の隣に来て初めて財前の髪が濡れてないのに気付いた。


『光プール入ってないの?』

「めんどい」

「そう言えば財前いっつもプール入ってへんよな」

「せやからめんどいねん」


ひょこっと顔を出してきた前の席の男子の頭をうざそうにひっぱたく財前を見て思わず笑いが出た。


「莉奈…何笑てんねん」


笑った私を欝陶しそうな目で見てくる財前にもまた笑ってしまった。


当たり前なんだけど、中学生らしい所もあるんだなと思った。
ここ何日間かで財前の印象が急速に変わっていく。
不器用なだけで本当は優しい人だって分かった。


少しだけ7日間の恋人が永遠でもいいかもなんて思った。


『にしても、この暑い中プール入んないって本当に珍しいね。プール気持ちよさそうじゃん』

「…せやな」


目の前で困った顔する財前がなぜか誰かと被った気がした。
私…この表情どっかで見たよ…?




あぁ、そうだあの日だ。
私が襲われそうになった時、助けてくれた人の表情に似ている。


必死に泣いて謝る私に目の前の人はこの表情を見せたんだっけ。
あの日のことを思い出すとまた胸が苦しくなった。


気が付けば私は無意識の内に、ごめんなさい。と呟いてた。
それを財前が唇を噛み締めて聞いてたなんて知らないで。






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