for seven days

□FIVEday
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今日は土曜日。
だから当然学校もない。
休日が大好きな私でも、財前に会えないのがちょっと物足りなかったりする。


いやいやいや…何思ってんの私!
寂しくなんかないって。
寧ろ平和?うん、そうだよ。


でも夜になってもメールも電話もないって本当調子狂う。
財前あんなんだけどちゃんとメールとかしてくれてたからな。


部活で疲れてるだけでしょ。
きっと今日の部活はハードだったんだよ。
それでもう疲れて寝ちゃったんだよ。
そう思おう。


そうでもして思い込まないと…
何かこのモヤモヤした感情に押し潰されそうだ。


何分経っただろうか。
しばらく携帯を握りしめていたと思う。
鳴らない着信に期待して。


馬鹿馬鹿しい…。
これじゃ私が財前を好きみたいじゃない。
何やってんだろ私。


携帯をベッドに投げ捨ててもう寝ようとベッドに入った瞬間。
携帯が鳴った。


面倒臭いと思いつつディスプレイを確認した。
ディスプレイに表示された名前を見た瞬間私の心臓は大きく跳ねた。


『財前から電話きたよ…』


さっきまでのモヤモヤはどこかに消え去った。
今私を包んでいるのは、安堵感と高鳴る心臓の鼓動。


いや…これ出た方がいいんだよね。
意を決して通話ボタンを押した。


『もしもし?』

【出んの遅いわ】

『ごめん。ちょっと色々あってさ』


しばらく無言になる。
あれ?怒らせちゃったかな?


無言になるなんてしょちゅうあること。
なのに今日だけは緊張してしまう。


【あんな…】

『っえ?何?』

【声裏返ってんで】

『私今日どうしたんだろう』


アハハなんて笑ってみるものの、多分ごまかせてないだろう。
自分でもどうしたのか分からない。


財前の声を聞くだけで有り得ないくらい心臓が加速する。


【…日曜ヒマやろ?】

『え?あれ?ヒマだなんて一言も言ってないよ…決めつけはよくないよー』

【莉奈がヒマやない訳ないやん】

『いや…まあ…ヒマだけどさ』

【日曜練習試合があんねん。四天であるから見に来い】


財前の誘いに心臓がまた高鳴った。
今までちゃんと財前がテニスをしている姿を見たことがなかった。


テニスをしている財前かっこいいんだろうな。
想像してニヤける口元を押さえて財前に二つ返事を返した。


それから詳しい時間帯などを聞いて電話を切った。
明日の服を決めなきゃいけない。
明日は何を着て行こうか。


明日が楽しみで、私は布団に入ってもしばらく寝付けなかった。






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