for seven days

□SIXday
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昨日は結局ちゃんと寝れなかった。
寝不足の目を擦り、出掛ける準備をした。


薄くメイクして、昨日頑張って決めた服に袖を通す。
差し入れも持って準備は万端。
よし、行こう。


私は勢いよく外に飛び出した。



*



学校に着いてテニスコートに向かう。


『げっ…』


朝からご苦労な事にたくさんの女の子が並んでいた。
所々から、財前君頑張って!なんて声が聞こえて思わず眉間に皺を寄せる。


大量の女の子を横目に見ながら、私は部室に向かった。
着いたら1番に部室に来てと財前に言われていたのだ。


部室のドアをノックすると中から顔が物凄く整った人が出てきた。
この人…部長さんだ。
確か白石先輩。


「君どないしたん?」

『あの、光…いますか?』

「財前?今コートにおるんちゃうかな?」

『あ…そうですか』


整った顔に直視されて恥ずかしくて下を向く。
そんな私に白石先輩はクスリと笑う。


「財前の彼女の莉奈ちゃんやろ?話は財前から聞いてんで」

『まあ…彼女です』

「部室入るか?財前来るの待っとくんやろ?」

『じゃあ、お邪魔させていただきます』


白石先輩に部室に招き入れられて足を進めようとした。
その瞬間物凄い寒気がして、思わず後ろを振り向く。


『光…』

「おー!財前やないか。お前莉奈ちゃん放っといて遅いわ」


財前完璧にヤンキー化してるよ…。
それに白石先輩は気付かないまま呑気に財前の肩をバシバシ叩いてる。


更に財前の眉間に皺が寄る。
白石先輩…財前の様子に気付いてよ!


「別にええやないですか。部長には関係ないやろ。莉奈行くで」

『あ…うん』


白石先輩を一睨みしてすぐに私に視線を戻して私を呼ぶ財前に素直に従う。
白石先輩に頭を下げて私を置いてさっさと歩く財前に、追い付くように必死で走った。


『光!白石先輩に失礼だったんじゃない?』

「別にええやろ。お前は何浮気しとんねん」

『浮気じゃないでしょ』


意外と子供っぽい事を言う財前に苦笑いしてツッコミを入れる。
面白くなさそうな顔の財前にまた苦笑い。




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