歪んだリップノイズ

□case.7
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短い休みを終えて再び学校。
月曜日程憂鬱な物はない。


だけど雅治とかいたりするから私もまあ頑張れる訳で。
何だ今の台詞。


まるで私がまだ雅治の事好きみたいじゃない。
心の中で嘲笑って、思考回路を閉じる。


3限まで授業を適当に受けて、4限はサボろうと思ってサボり場所を探して適当に歩みを進める。


休み時間の廊下はまだ賑やかで少し煩わしい。
チッと舌打ちをして歩みを進める。


右に曲がろうとした瞬間、後ろから腕を掴まれて身動きが取れなくなる。


『ちょっ!何…っ!』

「今日亜梨紗の家に行くから」


それだけ言って掴まれてた腕は離される。
バッと後ろを振り向くともうそこには人の姿はなかった。


今の声アイツだよね。
声色的にかなり怒ってたっぽいし。


アイツ怒らせたら面倒なんだよ。
うわー…家帰りたくないな。


それにアイツとは出来るだけ2人っきりにはなりたくない。






そんな事言いながらも放課後は来る訳で。
鞄を持ち教室を後にする私に声をかける人が1人。


「今日暇か?遊ばんか?」

『部活をしなさい。部活を』

「引退しとるし」


ああ、そうだったか。
引退してるのに昨日は景ちゃんは部活に行ったのか。


まさか部活じゃなかったり。
なんて心の中で景ちゃんを疑ってみる。


『今日は先約があるからまた今度』

「つれんのう」

『我が儘言わないで雅治。怒らせたら厄介な相手怒らせちゃったかもしれないのよ』


私の言葉に雅治は何となく勘付いたらしく苦笑いをしている。


「じゃあまた今度じゃの。何かあったら明日手当てしちゃる」

『そうね。手当てよろしく』


手当てか…必要になりそうだな。
困ったように頬をかく私に雅治も同じ仕草を取る。


バカにしてんのか。
まあ、いいかと思い雅治に背を向けて、歩き出す。


1つ言い忘れたことを思い出して雅治の方に顔だけ振り向く。


『私と遊んでる暇があるなら彼女と遊びなさいよ』


雅治の反応が怖くて、私はまた前を向いて歩き出す。


何かご飯作っておいた方がいいのかな。
面倒だけどスーパー寄って帰ろう。







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