歪んだリップノイズ
□case.9
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仲のいい女の子からランチのお誘いを受けた。
断る理由もないから、私は承諾をした。
『え?今何て言った?』
「だからさ、私清純居ないと無理」
いつもの様に何も変わらない会話をしていたが、彼女がそんな事を急に言い出すから私は箸を止める。
そもそも彼女とキヨの接点が見付からない。
『何でキヨの事知ってるの?』
「言ってなかったっけ?元中同じ」
『ああ』
私は納得した様に頷く。
そう言えば彼女は山吹中出身だ。
「亜梨紗のこと結構清純から聞くよ」
『へー』
興味ないように相槌を打つが、私は自分でも驚いてる程心がざわついていた。
『好きなの?』
「そういうのじゃないよ。ただ、友達としてキヨが必要不可欠っていうか、キヨと遊べなくなるのとか絶対嫌」
その言葉を聞いてもっと心がざわつく。
「昨日も清純と遊んだしさ。最近毎日連絡取り合ってるし」
その言葉に眉間に皺を寄せる。
私と最後に連絡を取ったのはいつ?
最後に遊んだのはいつ?
全然私とは連絡を取ろうともしないのに違う子と遊ぶんだ。
「今日も清純と遊ぼうかなー」
私は彼女の話を聞きながらメールを作成し出す。
宛先は当然キヨだ。
“今日夜家に迎えに来て”
とだけ送信する。
きっとキヨは彼女の誘いより私を取ってくれる。
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