小説

□Angel Tears 1
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先が見えないほどの闇の中、二人の人影が見える…
一人は眼鏡をかけた科学者風の男。
もう一人スーツを着た獣人。
何やら会話をしているようだが……




「以前、貴方に依頼した仕事…完成しましたか?」
獣人の男が話す。
「“ナミダ”のことですか?
アレなら完成済みです。
貴方がくれた“アレ”も使用させてもらいましたよ…ククッ」
不気味に笑いながら、科学者風の男が応える。
暗い中だから尚更不気味に見える。
「相変わらず仕事が早いですねぇ。
流石、天才…と言ったところでしょうか?」
「あなた様から褒めていただけるなんて、誠に光栄です。」
そんな事を言っているが、嬉しい…という様子は全くない。

「で、これからはどう動くんですか?」
今度は逆に科学者風の男が質問をする。
「奴等の動き次第ですよ。
なにせ、運命の道は一つではありませんから…」
「私は運命なんて非科学的な事は信じませんが…」
「とにかく、動きは後々伝えます。
あまり目立つ行動は避けてくださいね。」
「……御意。」
科学者風の男の返事をしたのを確かめると、獣人の男は深い闇の中へ溶けるように消えていった…



「……ふぅ。
私も念には念を…
“悪魔”の用意をしなくてはいけませんか…」
はぁ…と、溜め息混じりにそう言い、彼もまた闇に溶けるように消えていった…
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