書庫

□wisper
3ページ/8ページ

コツコツ…

サクラは懐中電灯を持ちながら、今日の巡回を始めた。
任務明けで少々疲れているが、構わず歩く。
薄暗い夜のアカデミーは、昼間とは全く違う雰囲気だ。 
1つ1つの教室を確認していく。

「さすがに2日連続はいない、か。」

サクラはそっと呟いた。巡回の目的は、警備ではない。
カカシを探すこと。
正確に言うと、セックスをしているカカシを探すことだ。

すごく汚らわしいと思う一方で、セックスをしているカカシに興味があった。
1度目は、びっくりしすぎてすぐに逃げてしまったが、2度目は凝視した。カカシとセックスをしていた女は、快楽に酔い痴れたような恍惚の表情を浮かべていた。
サクラは、以前付き合った3歳年上の中忍の男とセックスの経験があったが、セックスでそこまで気持ちよくなる、という感覚が解らなかった。
「なんとなく」気持ちいい、という感覚しか経験したことのないサクラにとって、女の表情は印象的だった。

サクラの胸がドクンドクンと高鳴り始める。
いよいよ最後の教室である。

ここにカカシがいるかもしれない。もしかしたら、今日も誰かを鳴かせているかもしれない。
そう考えただけで、体中が震う。

「…。」

サクラは、ゆっくりと扉を開けて、懐中電灯の光を当てた。

「…え?」

サクラは、その瞬間驚いて、口を手で塞いだ。

そこには、衝撃的な光景があった。


***


カカシは確信していた。サクラが巡回をしている理由。

「まったく、素直じゃないんだから。」

クスクスと笑がこぼれる。サクラがその気なら、とびっきりのプレゼントをしてあげよう。

カカシは、アカデミーの廊下を歩きながらフッと笑った。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ