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□アディクティド・トゥ・ユウ
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「俺はね、自分が嫌いなんだ。」

え?という表情でサクラがカカシの言葉に反応した。

「でも、サクラは俺を好きでいてくれるでしょ?」
「うん。」

即答するサクラをカカシは優しく見つめる。
この即答が、何よりの「理由」なのだ。

「そうやってサクラが好きでいてくれる自分だけは、好きになれるんだよ。」
「…?」

難しいかな?と言いながらカカシはサクラを抱きよせて膝の上に乗せた。カカシの上で、向き合って座る。

「わっ。」

カカシの突然の行動に、サクラはびっくりして声を上げた。
いきなり顔が近くなり、目を合わせられない。

「とにかくさ。」

カカシがサクラの顎をもう一度掴んで自分の方を向かせる。

「俺はサクラがいいんだ。明日から夫婦になれるなんて、これ以上幸せなことないよ。」

カカシの色違いの瞳がサクラをとらえた。
真っ直ぐに見つめるその目には、サクラを思う気持ちが込められている。

「せんせ…恥ずかしい。」

一向に視線を外さないカカシから、サクラは顔をそむけた。
見つめられて顔が紅くなる。

カカシは綺麗な男なのだ。明日からは自分の夫となる綺麗な男に見つめられて、サクラは動揺していた。

「サクラがこっち向かないから。」
「…だって。」

カカシに触れている部分が熱い。
サクラは、恥ずかしさで体中が上気していた。

「好きだよ。」

そんなサクラの顔を寄せると、カカシは、口布を下ろしてサクラにキスをした。

「先生、後悔したりしない?」
「する訳ない。サクラは?」
「する訳ない。」

小さな答えに、カカシはフッと笑った。
プロポーズをしたときも、こんな感じだった。
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