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□その夜の話
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あー、もう緊張する!

「先生、今何考えてるんだろー。」

別に何も考えちゃいないか。経験豊富なんだろうから。
口に出した言葉を、瞬時に頭で否定した。

現在の時刻、午後8時。
これからわたしは、カカシ先生の家に泊りに行く。
…それはつまり、「そういう」こと。

「今からこんなにドキドキしてたら、胸くっつけたときバレちゃうよね。ヤバイなー。」 

独り言が次から次へと出てしまう。
これからわたし、カカシ先生とえっちするんだよ!?
やっぱり信じられない!!
好きだから、全然いいんだけど…。むしろうれしいんだけど…。

「やっぱあの日、勢いでやっちゃった方がよかったかなー。」

あの日とは、2人の始まりの日。
「家に来る?」と言ったカカシ先生の言葉に、「その意味解ってるから」と答えた日のこと。

家に着くとカカシ先生は、「まぁ急がなくていいんじゃないかな。また改めてシよう?」と言った。
わたしは覚悟していて、緊張しまくってたから、多分それを察して言ってくれたんだと思う。
だからその日は、楽しくおしゃべりをして過ごした。
添い寝は、したんだけど。

「…まぁなるようになるわよね。」

よしっ!と気合いを入れた。
わたしの「初めて」を、カカシ先生に捧げてやるわ!
わたしは、家から持ってきたお煎餅が入った袋を、ぶんぶん振り回した。
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