書庫
□ある傷
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カカシはサクラの唇に自分の唇をよせた。
ゆっくりとキスをする。
「やわらか〜い〜」
「っ!」
カカシは満面の笑でサクラを見つめた。色違いの目が細くなる。
「先生、ほんとは傷なんかどうでもよくなったんでしょ?」
「…さてと。脱がせなきゃ。」
「先生!」
サクラの言葉をよそに、カカシの手がサクラの胸元に伸びる。
やんわりとカカシは胸を揉んだ。
「あっ!」
「え?」
いつものような艶のある声ではなかったので、カカシは驚いて素頓狂な声をあげた。
「…昨日から、始まったんだった。」
サクラが気まずそうに笑う。その笑が表すものは…。
「……うそ…。」
「ごめん。」
言われてみれば確かに、うっすらと血の匂いがする。サクラの体に夢中で気付かなかったらしい。
我ながら大失態だ、とカカシは頭を抱えた。
「サクラ〜。俺、もうその気なんだけど。」
そう言ってカカシはサクラに覆いかぶさる。
「ごめん!許して!さっ、オムライス、オムライス。」
サクラは嘆くカカシの腕をすり抜け、台所へと戻っていった。
「…まぁいっか。ただし終わったら毎日しよう。」
「何か言った?」
「いや、何も。俺も手伝うよ!」
カカシは一人ニヤニヤと1週間後の甘い日々に思いを馳せた。
end