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□怪我の功名
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浴槽にはお湯がちゃんと張られていた。サクラが用意しておいたのである。
カカシはシャワーだけでなく、湯船に浸かるのが好きだった。
チャプ…
サクラはゆっくりと湯船に浸かった。既にカカシが浸かっている。
サクラは胸やら下半身やらを隠し、モジモジしながら全身を湯船に沈めた。カカシには背を向けて、離れて座る。
「おいで。」
カカシはサクラに近寄るように促した。
サクラがゆっくりとカカシの方を振り向く。湯気がかかり、カカシの顔の輪郭がボヤけて見えた。カカシは微笑っている。
サクラは、このカカシの微笑に弱かった。とにかくかっこいい。付き合うようになって、初めてカカシの素顔を見たが、その衝撃はすごかった。美形すぎる…と思った。
いつ見ても、カカシはかっこいい。それに今は湯気のせいで妙に色気があり、余計に綺麗に見えた。
「うん…。」
サクラはカカシに体を寄せた。カカシがサクラの肩を抱き締める。そして脚で体を抱え込んだ。
(くっつきすぎじゃない!?)
サクラの考えをよそに、カカシはサクラの首にキスをした。湯気がサクラの頭をクラクラさせる。
やがてカカシは肩に回していた手をサクラの胸の方に移動させ始めた。更に首から耳へと唇も上がろうとする。
(やばっ。先生、その気になってる!)
「先生っ!」
「んー?」
カカシの手がサクラの胸を揉もうとした瞬間だった。
「先生、血、洗い流したんだ!」
サクラはその手をグッと掴んで言った。それはカカシが先程怪我を負っていた左腕だった。
「え?あ、うん。サクラと一緒にに湯船に入るから、先に落としとこうと思って。」
カカシが説明している隙に、サクラはカカシと少し体を離した。密かに体にくっついていたカカシの脚もほどく。
「なんで?」
「なんでって、血だよ?汚いでしょ?」
カカシは今度はサクラの髪を弄り始めた。
綺麗な桃色の髪の毛を指に絡ませる。
「…別にカカシ先生のだったら、汚くないわよ。」
そう言うと、サクラは湯船から出た。洗い場に移動して、髪の毛を洗い始める。
カカシは心臓がドキドキしていた。
(俺の血なら、汚くないだって。)
サクラの言葉に、感動するカカシ。顔が自然ににやけてしまう。そして感動のあとに、カカシの中に沸々と沸き上がるものがあった。
「…。」
丁寧に髪の毛を洗うサクラ。髪を洗い流すときは目を瞑っているため、ひどく無防備だ。
目を閉じている瞬間、腰を掻き抱いて、犯してしまいたいとカカシは思った。
(でもそれやったら、一生一緒に風呂に入ってくれなくなるな…。)
フルフルと頭を左右に振り、カカシは自制した。
しかし、カカシはサクラに激しく欲情していた。