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□始まりの終わり
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「まだ嘘だと思う?」
俺はゆっくりと唇を離し、そう言った。俺の言葉に、サクラが首を横に振る。
くそー!!ディープがしたいぞ!!…でも、まだ我慢我慢。
「カカシ先生。」
「ん?」
「…好き。」
…。おいおい、かわいすぎだぞ、その目!俺の理性が…ああっ!
もう今すぐサクラと…したいよ。
「じゃあ付き合おうか。」
俺が既にゼロに近い理性を総動員して、にっこり笑って言うと、サクラはうれしそうに頷いた。
なんか…悪くないね、こういうの。
「カカシ先生、あの人みたいな女の人が好きなんだと思ってた。」
「なんで〜?」
「だっていつもああいう感じの女の人と歩いていたじゃない。」
む…。それは確かに事実だ。その女たちはみんな性欲処理みたいなもんだったとは、口が裂けても言えないな…。
「サクラは信じないかもしれないけど、俺が好きだな、って思う彼女はサクラが初めてだよ。」
甘い言葉を言ったつもりだったのに、あれ?サクラさん怒ってらっしゃる?
「不誠実ー。」
サクラの眉間にシワがよっている。でも、どこかうれしそうなのは、気のせいじゃないよね?
「とにかく、俺が好きなのはサクラだけだよ。」
「う、浮気したら、承知しないから!」
強がりのように返すサクラ。かわいい。かわいすぎる。まさかサクラが手に入るなんて思ってもみなかった。浮気?するわけないよ。君に夢中なんだから。
「サクラ…。」
誓いの意味も込めてキスをした。
もうとっくに理性のタガが外れていた俺は、サクラの口内に舌を入り込ませた。
「んっ。」
苦しそうに息をするサクラ。顎を押さえ、顔を固定してやる。そして深く口付けた。歯列をなぞり、下顎も舐め回す。
「く…はぁ。」
やっと唇を離すと、サクラはうっとりとしていた。上気した頬は紅く染まっている。
これ、やばいな。もう今の時点で抱きたくてしょうがない。
「…俺んち来る?」
俺は言ってしまってから激しく後悔した。
バカだろ、俺。やりたいって言ってるようなもんじゃねーか。
これじゃ不誠実って言われてもしょうがないわ…。
「…。」
ほ、ほら。黙っちまったじゃねーか。
どうしよう。無意識とは言え、最悪だな…。
「う、うん。」
「へ?」
サクラは真っ赤になりながら頷いた。
予想外の反応におれは間の抜けた声を出した。だけどすぐに思考を整える。ようは手を出さなければいいんだ。そう、それだけの話。
「もう遅いし、ゆっくりしてきな。」
そう言って俺立ち上がり、手を差し出した。サクラは恥ずかしそうにその手を取って立ち上がると、とんでもないことを言い放った。
「わたし…、意味解ってるからね。」
…。
どうやら俺の新しい彼女は、俺より数枚上手らしい。しかも無意識で。
俺は、答えの代わりにサクラの手をグッと握り直した。
さぁ、俺の家で君はどうするの?
俺はもう、何も止められないよ?
end.