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□HEAVEN'S DRIVE
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翌日、ヤマトは長期任務に就いた。
サクラには特に何も言わずに。
「サクラちゃーん。」
ヤマトの出勤表を見て、ため息をついていたサクラに声がかかる。ナルトだった。
「サクラちゃん、何してるってばよ!」
「なんでもない。どうかした?」
ナルトに説明したら、後々ヤマトの耳に入ってしまいそうな気がする。
サクラはナルトの問いかけを受け流すように、逆に問い掛けた。
「カカシ先生が、今日家来ないかって言ってたんだってばよ。」
「今日?何で??」
「3人で久しぶりにご飯でも食べようって話だったかなぁ。」
ナルトは頭を掻いている。話をなんとなくしか聞いてなかったのだろう。
それにしてもカカシは何故そんなことをいきなり言い出したのだろうか。サクラは首を傾げた。
「まぁ、解ったわ。じゃあカカシ先生の好物でも作るか!」
サクラがそう言うと、ナルトは何やら申し訳なさそうな顔をした。
「…サクラちゃん、いけるんだな?」
「え?」
ナルトが急に駆け出す。
「実は俺、今日はイルカ先生との先約があるんだってばよ。」
「は?」
サクラは意味が解らず呆然とした。
話をふっといて自分はいけない、はないだろう。
「ごめんサクラちゃん!カカシ先生がかわいそうだから行ってあげて!じゃあ!!」
ナルトは短くそう言うと、逃げるように走り去っていった。
「…あいつ…。ラーメンにつられたな。」
ナルトは、カカシの家にラーメンなどというジャンキーな食べ物がないことを嫌がったに違いなかった。
それにカカシはナルトに野菜を食べさせたがるのだ。そんな状況になるよりは、イルカとラーメンを食べる約束を選んだのだろう。もっとも、本当に約束しているかも怪しいが。
「ったく…。」
サクラは呆れるように言った。
しかし、カカシにはいつも何かと世話になってるのと、すでにナルトから話を聞いてしまった以上、このままカカシを無視する訳にはいかなかった。
「うーん、まぁいっか…。」
サクラは、カカシの家に行くことを決めた。
今日は、というより今日から暫くは、1人で夜を過ごすのである。なんとなく、1人でご飯を食べたくないという思いもあった。
それに、実はカカシに相談したいこともあった。
「まずは買い物ね。」
サクラはそう言うと、アカデミーを後にした。