神子のSS
□頼明生誕祭
1ページ/9ページ
10月30日、僕の誕生日。
今日は朝から様々な方からご祝辞の文や祝いの品々が贈られてくる。
でも、何を貰っても喜べないんだよね。
この貢ぎ物の山はなに一つとして僕に宛てられた物じゃないから。
[倉澤家]という名家の子息である頼明に媚を売る為の他愛ないもの………
(迷惑なんですよね、後でお礼に出向いたり 文を書かなくてはいけなくなるから)
貢ぎ物の贈り主たちの名前を紙に書留ていく。
単調な作業の中、僕は一つの文に気を取られた。
[阿須]家………
彼女が今お世話になっている、誉の一族の宗家だ。
ふと、彼女のことが気になり 先程までの仕事を早々に切り上げ
部屋を後にした。
・