Gift novel.01

□恋愛論
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何時ものようにランボがリボーンにちょっかい出して返り打ちにされて
お約束のように十年バズーカ使って

この状況を作った張本人のランボは
普段なら十年後の姿に変わってるのだが
・・・・今回は逃げた


バズーカの発射口がこっちを向いていたので
慌てて止めようとして大声で止めたのだ
それにびっくりして落としたのかゴッっと言う重い音が聞こえたと思ったら


あたり一面を真っ白な煙が覆って
すぐに走っていったランボを追い掛けようとしたけど
俺はすぐに固まって目の前の人物を凝視していた







「つ〜なぁ〜」



俺の名前を呼ぶ成人男性としては少々高めの声に
ごろごろしながら雑誌を読んでいた手を止めて後ろを振り替えれば
そこにはにこにこと笑っている十年後の俺がいた



「なんですか?綱吉さん」



俺は十年後の俺のことを綱吉さん、と呼んでいる
(一応年上だからさん付けだ)



「ん!こっちおいで」



ぽんぽん、と綱吉は自分が座っている横を叩いた
部屋でごろごろしてるだけだった俺は
すぐに読みかけの雑誌を閉じてもそもそと彼の横に移動した


俺が彼の横に腰を下ろしたのを見ると
綱吉さんはにっこりと満面の笑みを浮かべる



(背後に花が見えてますよ綱吉さん!!)



このキラッキラした笑顔に、俺は逆らえないのだ
正直凄まじい破壊力だと思う
(俺男だけどドキドキしたし!ついでに十年後っていっても自分自身だけどね!!)
顔も綺麗だし、細いけど引き締まった体って感じだし
(てゆうか本気で俺か?!この人!!)

話では十年バズーカの故障で十年後の俺と今の俺が入れ替わらずに
十年後の世界の綱吉さんだけがこちらに飛ばされたらしい

期限は二日、今は二日目の昼だ
彼には一日目で馴れた
リボーンのおかげで俺はなんだかんだでハプニング馴れしているらしい
(非常に嬉しくない)

彼が十年後の俺というのも、確かに面影はあると思う
髪の色はちょっと薄くなってるけど目の色は一緒
散々確認して事実確認はバッチリ
けど、・・・・いまだに半信半疑だったりする




「ツナ、どしたの」



自分の思考にどっぷり使っていたらしく、気が付いたら
心配そうにこちらを見つめる綱吉さんの顔がありえないくらい近くにあった




「うわぁ!!っ大丈夫ですから!!」



慌てて距離をとろうとしたら体が動かない
パニックになりつつ自分の胴体を見ると
ガッチリと目の前の人に抱き締められてて、俺はさらに慌てた



「可愛いなあ、ツナは」



綱吉さんは俺の耳元でそう言うとくすくすと笑う



(絶対確信犯だよこの人ぉお!!)



綱吉さんは笑うのを止めると、さらに力をこめて俺を抱き締めた
なんだか抱え込まれるような形になって
俺は自然に彼の胸に頭を預ける態勢になる



「・・・・うん、ツナはさ
ツナのままで居てほしいな」



彼がポツリと呟いた言葉に
びっくりして彼の顔を見ようとしたけれど
俺の位置からでは彼の表情を伺う事はできなかった



「・・・・綱吉さん?」



俺が不安の入り交じった声で問い掛けると
彼はすぐに腕の力を弱めて
俺に笑い顔を見せると、くしゃくしゃと俺の頭を撫でてくれた



「今のツナが大好きってこと!」



そう言って彼はまたにこやかに笑うのだ



(嗚呼、この人にはきっと勝てない!)



俺は真っ赤になった顔を俯けながら
そう思った



きっと惚れたら最後、俺は彼から離れられなくなるだろう
(10も年上相手の十年の遠距離恋愛
しかも相手が自分なんて、聞いた事が無い!)









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