novel.01

□10年後からの客人 前
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ランボがリボーンに奇襲をかけるのも、
ランボが返り討ちにあって泣きだすのも、
十年バスーカを撃つのも、何時もと変わらない日常風景だった。

何時もなら十年後から大人ランボが呼び出されるのだが、
今日はそうならなかった。
十年バスーカが暴発し、
とっさにランボを庇った綱吉に命中したのだ。


煙がまだ部屋に籠もっている。



「十代目!!」



「だ・・・・大丈夫だよ・・・・」



ゲホゲホと咳き込みながら取り敢えず返事をした。



「大丈夫か?ツナ」



「うん・・・・ありがと山本」



てっきり10年後にでも飛ばされるかと思ったが、
本当に何も起こらなかったようだ。



「あ〜、びっくりしたけど何も起こらな・・・・」



何も起こらなくて良かったよ。
と言いたかったのだが、



「懐かしいなぁ、10年前かぁ」



煙の中から表れた見知らぬ男の出現により、
そんなことも言えない状況になった。



「ciao、若きボンゴレファミリー?」



いきなり表れた男はそういって茫然としている自分達に向き直った



「えぇと・・・・どちら様で?」



男の台詞から十年後から呼び出された事は解る。
だが、誰だか解らない。



「あれ?解んないかなぁ・・・・」



解らないから聞いてるんです!と心の中でツッコミを入れている綱吉を見て、
男は綺麗な笑顔で



「改めてハジメマシテ?ボンゴレ十代目ボス、沢田綱吉デス」



と言った。




・・・・確かに大人ランボは割りと頻繁にやってくるし、イーピンも稀に入れ替わる時がある。

慣れていると言ってもやはり混乱するもので、



「あぁ、あと今回は一ヵ月位戻らない筈だから」



追い打ちをかけられれば、パニックを起こすのも仕方がない事だ。



綱吉さんが言うには、10年バズーカの故障による誤射俺がに巻き込まれ、
綱吉さんが一ヵ月間こちらに居ることになるらしい。

綱吉さんがこちら側に来てからもう三日、
俺は何回聞いているか解らない質問をした。



「本当に十年後の俺なんですか?!」



「そうだよ」



また同じ答えを貰った。

最初に会ったときから時間がたったが、まだ信じられない。
 
あの場にいた皆が中々気付かなかったのも無理はないのだ。

彼がまとっている雰囲気が自分とはまったく違うもので、態度も今の自分とは違い余裕が感じられるものだったのだから。

髪も背中まで伸びていたし、顔だってよく見れば面影は十分あるが、
親戚と紹介しても違和感はないだろう。



しかも彼は用心だといって今は髪を金髪に染めあげている。
とても自然でもとから金髪だったような錯覚をしてしまう。


でもまぁ三日目になると大分慣れてた。

綱吉さんは家の近くに部屋を借りているらしいが、
俺が学校に行っている間に家に遊びにきているらしく、
母さんともかなり親しげになっていた。
(まぁ十年前とはいえ彼の母親にかわりはないから当然なのだが)









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