novel.01

□10年後からの客人 後
1ページ/1ページ







担当教師が男で良かった。
女子はチラチラと後ろを見ているし、(男子まで見ているのは気付かない振りをしておこう)
わが子の様子を見にきた筈のお母さま方までチラチラ綱吉さんの方を見ている。

俺はといえば
(母さんはどうしたんだー!!)
(何で綱吉さんがーー?!)パニック状態だ。


幸い教師に当てられる事も無かったから良かったが・・・・



まぁなんとか授業も終わり、後は各自帰るだけだ。
俺がホッとしていると、

「綱吉、一緒に帰ろうか」



と後ろから話し掛けられた
振り替えればそこには婦女子キラースマイル(今命名)を浮かべた綱吉さんがたっていた。


あぁ、皆の視線が痛い・・・・
綱吉さんは獄寺君と山本も誘っていた
二人が断る筈もなく、四人で帰るはめになった。



「綱吉くん、ご親戚の人?」



振り返ると、そこには京子ちゃんが居た。



「え〜と・・・・」



「はじめまして。沢田光友です」



いつのまに・・・・


まぁそれを始めに何時の間にか女子による質問攻撃が始まっていた・・・・

「年はお幾つ何ですか?」



「23です」



「沢田君とはどんな関係何ですか?」



「綱吉は甥なんですよ」



「日本人なんですか?」



「国籍はイタリアです」



質問の嵐。
綱吉さんは婦女子キラースマイルを浮かべたまま律儀に答えている。
その笑顔にヒートアップさせるだけですよ!と言いたい。

俺がため息を吐くと、綱吉さんはそれに気付いたらしい。
申し訳なさそうに女子達に挨拶した後、俺たちを引っ張って教室をでた。



目立つ。
何時も山本や獄寺君だけでも注目を浴びるが、今日はまた一人強力なのが増えているからなおさらだ。


「やっぱり目立つね」



一応自分が注目を集めてるのは自覚してるんだ、と思ったら



「山本や獄寺君、格好いいから俺浮いちゃうんだよね・・・・」



などと嘆いていた。

仕舞には



「二人は昔から格好いいな〜」



などといって二人の頭を撫でる始末。


獄寺君は顔を覗き込まれ、真っ赤になりながら口をパクパクさせるし、

山本は照れたように苦笑していた。

うん、誰か彼を止めてください・・・・


結局その後も綱吉さんは家に帰るまでの道程で、俺に構いつつ、確実に獄寺君と山本を口説き落とし(本人にその気は無いのだろうが、そうとしか見えなかった)ていった。

うん、こんな生活があと二週間続くんだよ・・・・

頑張れ、俺







.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ