novel.01

□ハロー・ハロー 1
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久しぶりの故郷からの手紙には母らしい気遣いの言葉に2枚の案内書が同封されていた

案内書には
《並盛中学校同窓会》
そう書かれていた

あぁそう言えば、もぅ何年も同級生の顔を見ていない

イタリアと日本なのだから、仕方がないことだと、そう思った
案内書を執務机に置き、椅子に深く沈み息を吐く

中学・・・・あの頃は自分の人生が大きく変わった時期だ
(人生だけでなく、自分さえ大きく変わってしまったけれど)

あの頃のダメツナの面影でも探しに行こうか・・・・

口元に少し笑みを浮かべ、日本から連れてきた同年代では唯一部下である右腕を呼び付ける

一回り下のお目付け役のヒットマンに知られれば説教されるだれろがまぁ気にしない

もうすぐ愛しのボスから呼び出しをくらった部下が
嬉々として遠征先から駆け付けるであろう部屋の中で、
綱吉は優雅に一人紅茶の香を楽しむことにした

遠征先の鎮圧は一刻も早くボスの下に帰りたい優秀な右腕がすでに終わらせているし、このところは抗争も無い。

ついでに久々の懐かしい日本で休暇を取るのも悪くない

そう思い立った綱吉は同封されていた二枚(綱吉と・・・・もう一つは右腕の分だろう)を眺めた
立食式のパーティらしい
その為多少人数の変更があっても良いからか、出欠を問う欄は無かった。

(突然の再会で久々に会う面々を驚かすのも悪くは無いだろう)

楽しみだ、と笑っているとまたあの元家庭教師に
随分といい性格になりやがったな、などと嫌味を言われそうだ、などと思いながら

昔離れたあの場所に行く準備をした




本当に久しぶりだ

高校もイタリアを選んだから十年ぶりだろうか?

小煩いお目付け役(綱吉以外が本人に言ったら即死だろう)を説得し(出し抜い)て休暇をもぎ取った綱吉は思いっきり日本の空気を吸い込んだ

町並みや雰囲気に懐かしさを感じる

こんな所に黒塗りの車やいかなもボディガードなガタイの良いイタリア人黒スーツ軍団は似合わない
(これは初めてディーノが来たときに実証済みだ)

綱吉は獄寺とほんの2、3の部下を連れて来ただけだった(因みにリボーンは何かあった時の為に留守番)
今の綱吉と獄寺の服はスーツだが獄寺は少々着くずしていた。どちらもまぁ高級な品なのだが
二人の指にはまる指輪の意味は日本の一般人が知るワケもないので外していなかった

綱吉はこの十年で背中まで伸びた後ろ髪を垂らし、
獄寺はあの頃より少々伸ばした髪を後ろで一つに縛っていた
煙草とジャラジャラ付けたシルバーアクセは変わらないが、彼に良く似合っている



「十代目、本当に行くんですか?」



「嫌なら一人で行くよ?」



「お供させていただきます!!」



獄寺の気持ちの良い返事に笑い、会場へと乗り込んだ
本当に久しぶりだ
隼人とリボーン以外はイタリアの高校に行ってから連絡も取ってない
第一イタリアに渡ったのもボンゴレを継ぐと決め
皆をマフィア云々から早々に切り離すためだったため、誰にも言わず黙って行ったから本当に十年ぶりだった








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