novel.01

□ハロー・ハロー 2
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金髪の彼女を見付けた
あの頃から変わらない髪型は彼女に良く似合う

あぁ、ハルはあの時からバッサリ髪切り、それからまた伸ばしているそうだ

方法は違えど始まりと理由は同じだろう

あぁまだ俺たちは忘れられないのだ

未だ思い返し少し痛む心に苦笑し、金髪の髪の彼女に近づいて話かけた



「よぅ、」



「あ、久しぶりだね」



そう言って笑う彼女はやはり美人だ
少し前に付き合ったりしてる奴が居ない、と聞いたときは驚いたが何時もと違い少し困ったように笑われて、あぁそうだこいつも俺たちと一緒なんだと改めて実感した

少し話していて、ふいに笹川が言った



「獄寺君とね・・・・ツナ君にも出したんだ
連絡先は知らないからツナ君のお母さんに二人分渡したの」



「そっか・・・・もう十年経つんだなぁ」



なるべく明るく放った声はやはり無理があると自分で実感した

そうだ、もう十年経った
ツナがいきなり姿を消して、連絡が取れなくなって

十年たった

ツナが居なくなって、リボーンや獄寺が居なくなって、チビ達も居なくなった
しばらくして、ツナの周りの人間が皆消えて
全てを失った気でいたけど

ツナとかかわる前に戻っただけだと気が付いた
そこにツナまで加わってたダケの事に気が付いて

ただ、その焦燥感は凄まじいものだったけれど

そんな感傷にひたってたら、周りが少しざわつき始めていた




会場がザワリといっそう騒がしくなったのは、二人の男が入ってきたからだった

一人は少し長めの灰色の髪を一つに縛り、スーツを着くずし指や首にジャラジャラとシルバーアクセを付けている
釣り上がった目や眉間の皺は彼の不機嫌を露にしていたが、彼の整った顔を損なうものではなかった

その雰囲気すらも彼の魅力なのかもしれない。
スラリと伸びた手足やその整った顔は、モデルの様だ

もう一人は色素が薄く金髪に近い色の長い髪を垂らし、スーツを着ていた。
灰色の髪の男とは違い、装飾品は耳のピアスと指にはめられた指輪だけだった(どちらも細かい細工が施され、値段が付けば高級では済まないような品だが、それは知らないほうが良いのだろう)
口元は笑みを浮かべ、茶色の目は深く、落ち着いた色を醸し出していた
それに何処か引かれるような、目を離せないような雰囲気があった
こちらも前者程で無いにしろ、背が高く
スラリと伸びた手足と整った顔の持ち主だった

騒つく会場に気付いているのかいないのか、綱吉は平然としていた

とおくイタリアの地で数多くのファミリーや傘下マフィアを支え、統べる彼が今更大勢の視線に動じるような事はありえ無いのだ

スィ、と辺りを見回した綱吉は、懐かしい顔を遠くに見付け、笑みの色を濃くした







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