novel.01

□熱愛発覚
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最近ボンゴレ十代目の様子がおかしい





天気の良い日に早々と仕事が終われば
以前は本部を抜け出し大変な騒ぎ
(逃げるボスを連れ戻(捕獲)する為に躍起になる幹部
特別編成チームとして駆り出されるヴァリアー
イライラを部下にぶつける元風紀委員長に、どす黒いオーラを垂れ流すパイナップル
・・・・数えだすとキリが無い)
が発生するのが日常茶飯事だったが、

最近は日当たりの良い部屋や自室にこもり、
お茶をしたり寛いでいることが増えた



何かがおかしい、と感じるのはそれだけではない

綱吉がそうして部屋に籠もった時、必ずと言って良い程
部屋にティーセットを運び様子を伺いに行ったメイドが
皆決まって顔を赤く染め上げ部屋から出てくるのだ



「どーなってんだ?」



ボンゴレ最強のヒットマンが首を傾げるなか、それでもその状況は続いた


仕事がはかどっているし、
ボスが居ないと幹部が騒ぎ立てることもない



だが人間不思議なことが続くと
真相を知りたい、と言う想いが出てくるものだ






何時もの様に仕事を早く片付ける
最近は彼との時間が大切で、仕事も早々に終わらせる様にしているから



彼は仕事が終わるまで一緒に部屋にこもり、
じっと待っていてくれる

それだけでたまらなく嬉しく思うのだから
自分はもう末期なんだろうな、と
綱吉は椅子に深く腰掛けながら
目の前で緑色の尻尾を揺らす可愛らしい彼に微笑んだ



属に自分は愛人と言われる立場だ

しかも可笑しな事にイタリアマフィアのドンボンゴレ十代目が、カメレオンの愛人
けれど彼の傍が一番落ち着くし癒されるのだから仕方ない


暇なときに二人でのんびりするのが好きだ

ただ傍に居て、
彼を膝の上に乗せ、ヒンヤリと冷たい体を撫でるのが好きだ
長い尻尾を指に絡めてこちらを伺う瞳が大好きで、落ち着く



そうしてまた仕事を片付け、
二人でゆっくり過ごそうと紅茶を頼み、
レオンを膝に乗せて過ごしていた



「今日が丁度俺がレオンの愛人になって一ヵ月なんだよ」



そう言って膝に乗せていた体を抱き上げる


知っている、と言うかのようにコクりと頷き
尻尾を絡めた彼に頬が緩むのを自覚した



「愛してるよ」



そう言って笑えば
レオンはペロリと長い舌で唇を舐めてこちらを見上げた



その後には
何時もメイドを赤くさせた時の、何十倍も綺麗で幸せそうに笑う綱吉と


色々なショックのせいで声すら出せずに
様子を伺いに来たままドアの前で立ち尽くした
最強のヒットマンの姿があったらしい







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