Gift novel.01

□不法投棄 後
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「冷酷だね」



「どうして?」



マーモンがぽつりと呟いただけだった声はそれでも彼の耳には聞き取れたらしく、

茶色の瞳がこちらを見つめた




イタリアに渡った綱吉は当初別人の戸籍を用意したあと
さっさと立ち去る予定だったが居心地が悪くないから、と
ヴァリアーにとどまっていた



ボンゴレリング争奪戦は綱吉がリング所有権放棄した形で終結したことになっている


未だ完全な形で存在するリングはザンザスの指にはまった
大空をしめす一つのみだったが


じきに日本組がリングを手放し他のリングもヴァリアー側に揃うだろう

なにせ彼らには守護するべき人物が居ない




「なんで捨てたの?」



「ん〜?」



「君の守護者だよ」



「あぁ」



綱吉はふぅ、と息を吐くと辺りを見回した
ヴァリアーのメンバーがじっと見ていることに面倒臭いような億劫な気分になった



「あ〜皆知りたいんだ」



そう言ってため息をこぼした



「俺はね、俺の事が大事とか思ってる奴を傍に置いときたくないんだ」



「どういうこと?」



「ん〜まぁ気にしないでよ、
俺みたいな変人の思考回路は解んないほうが賢明だから」



そう言ってにこりと笑うと
スタスタとドアに向かって歩き始めた



「散歩行ってくるよ」



そう言い残すと部屋から出ていった



「ほんとに残酷だよね〜
大切に思ってるのがバレたら
その瞬間に本人に捨てられるんだ」



ベルフェゴールの声が響いた室内では
皆が今し方出ていった大空を思った








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