Gift novel.01

□お気に入りの場所
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アンケ2位
猫物語〜銀猫物語(攻キャラ猫化シリーズ)
お礼文





おきにい『り』のばしょ





畳の感触と庭から聞こえる蝉の泣き声
音を立てて回る扇風機の風を浴びながら

綱吉は最近増えに増えた
家に頻繁に顔を出す猫達のことを考えていた

最初は銀色の飼い猫だけだったが
いまでは何だかんだで個性派な猫が何匹も来るようになった


明らかにどこかの家の飼い猫もいる
ソレが理由かは分からないが、道端で見つけた顔見知りの猫達に触ろうとすると
こちらを心配そうに見てくる人が結構居る



(ベルとかは血統書付きの高い猫だってきいたしな〜
泥棒かなんかだと思ったのかな)



でもその人たちの大半が、俺が猫達に触ろうとすると短く悲鳴を上げたり
どこかしらに包帯なんかの怪我が有るのは何故だろうか


(とくにザンザスや恭弥に触ろうとするときに多い気がする)


そこまで考えて綱吉は思考を止めた
深くは考えない方が良い気がしたからだ



まあ個性派ぞろいな猫達だが、縄張りもばらばらなようで
家以外で彼らを見かける場所もバラバラだ
性格も見た目も割りとバラバラ


泣き声が常に威嚇してるような家の飼い猫に、金色の気儘な奴や
黒の神出鬼没な子猫、同じく黒の綺麗な奴と、それと最悪に中の悪いオッドアイ
黒色赤目の見た目恐い奴やわりと最近知り合った銀色の人懐っこい奴



(・・・・バラバラ、なんだけどなぁ〜)



綱吉は自分の膝の上で丸くなっている物体に目をやった
気持ち良さそうに寝ているのは一匹の猫



「お前等ってなんで此処に来たら
皆俺の膝の上に乗るんだ?」



問い掛けてみても綱吉の膝のうえで昼寝中の猫は
耳をピクピク動かしただけで
返事はしなかった



そうなのだ猫達は此処に来るたびに
綱吉の膝のうえに座り込み昼寝をしたり甘えたりしてくる

もちろん可愛いのだが
困った問題もあったりする

それは猫達が鉢合わせになった時、だ
最初は威嚇するし喧嘩するしで大変だった

しかもそれが喧嘩ではすまない自体になるのが常だったりした
骸と恭弥なんて最悪だ
骸とザンザス、ベルと恭弥の組み合わせもマズイ
最初はよく血塗れになってた気がする

そのてんリボーンや白蘭はタイミングがいいのか
あまり他の奴とかち合わない
(タイミングが良すぎて恐怖を覚えたこともあるほどだ)


(でもそんな血塗れの戦いも
喧嘩したら叱ってさらに2、3日相手をしない
と言う態度を徹底したところ無くなった)




綱吉は部屋の外を見た
影は真下に伸び、時々風に揺られる風鈴の音が聞こえる
扇風機の風が気持ち良い



(暑いだろうに気持ち良さそうに寝てるよな〜)



そう思いながら、綱吉は猫の背をそっと撫でた


暑いなか自分の膝上で寝る猫を見て
膝のうえを気に入ってくれてるなんて
可愛いじゃないか、と思ってしまうあたり
自分も相当彼等には甘いのだろう











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