long.001

□夏の日、残像(4)
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不純な手で





綺麗な白い菊の花、他にも色々飾り付けられているのに、何処か悲しく暗い空気が漂うのは
主役である彼が木の箱に入れられ、もう話すことも動くことも無いからだろうか。

多くの人が集まった彼の葬式も終わり、『ボンゴレ十代目』から依頼された仕事終えたシャマルは依頼主の家庭教師と向き合う。



「どういう事だ」



全身から沸き立つ殺気を押さえようともせず、リボーンはシャマルを睨み付ける。



「どういうこてって言われてもなぁ」



シャマルの言葉にリボーンは殺気を強めた。

九代目にイタリアに呼び出されて、帰ったら綱吉が死んでいた。

納得出来るわけが無い。


だから、あっけなく死んだことへの呆れや落胆より、悲しみを強く感じる自分も認めない。

グチャグチャに潰れたあいつを見て、血濡れた手で触れたからだと後悔するのはあまりにも滑稽だろう。



「・・・・」



黙って睨み続けると、相手は降参だとでも言う様に両手を上げて大きく息を吐いた。



「予定が少し早くなるだけだよな」



そうぼやくと携帯を取り出し、



「家庭教師がご立腹だ」



そう相手に言ってから携帯を投げてよこした。



「久しぶり、リボーン」



あぁ、聞こえてきた聞き慣れた声に安心したのは気のせいにしてしまいたい。



「ダメツナが」



電話の向こうからアイツが苦笑する声が聞こえた。










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