long.001
□夏の日、残像(5)
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胸を焦がす
目の前が真っ暗だった。
見渡せば白と黒ばっかりでモノクロ映画を見てるみたいだ
目の前のには小さな箱があって、何故だかその横に自分の主と心に決めた最愛の人の写真が飾られていた。
顔なんかグチャグチャで、辛うじて解るのは血と髪の色くらい。
認めなかった。アレがあの人なワケが無い
「獄寺はどうした?」
『沢田綱吉』殺しの共犯達が集まる中、シャマルが『ボンゴレ十代目』に問い掛けた。
ここに居るのはシャマル、リボーン、ディーノ、新旧ボンゴレの5人だけ。皆共犯もしくは事実を話した者ばかり。
「獄寺君には話してないよ」
驚いたのは周りの者で、今度はディーノが声を上げた
「話してないのか?!」
「うん。どうしても必要な人にだけしか話してないよ」
「獄寺は・・・・」
「置いていくよ」
獄寺の綱吉への思いの強さを知るものはやっかいだな。と思った
「ずっと前から決めていたんだ、大切な人達だから、引きずり込みたくない。
大丈夫、皆俺の事なんかすぐ忘れる」
それに、帰る場所が在ったら弱くなると呟いた彼に皆、掛ける言葉が浮かばなかった。
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