long.001

□Hold me tight2(1)
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まぁなんとなくは予想していた

それが多少規格外だったが・・・・気にしない(ようにする)ことにした


そうでもないとないと多分この先やっていけないのだ
このボンゴレと名乗る男とは・・・・






「ここが今日からザンザスの家だよ」



そう言って紹介されたのは、家というよりは
屋敷、だ


馬鹿デカイ屋敷に入り口にいた警備らしい男が
この男を見て深々と頭を下げる


屋敷に入ると改めてその広さが分かる
正直言ってウンザリした


俺の手を引きズンズンと廊下を進んでいった男は
突き当たりにある部屋の前で歩みを止め
幾つもジャラジャラと繋がれた鍵束の鍵を使い
何重にもかけられた施錠されたドアを開けて一言



「ここが俺たちの部屋だからね」



確かに広いし日当たりも良い
大きな窓が有り、ベランダも小さな白いテーブルと椅子が置かれ
木の鉢植えも置かれていたが窮屈そうには見えない

家具もシンプルでデザインも落ち着いたものだ


部屋の壁にあったドアは、隣の部屋
男の執務室に繋がるドアだという



男の持つ鍵束(全て一つの扉を開ける為の鍵だ)を見ていると
こちらの視線に気付いたらしい男は



「普段はあのドアは使わないんだよ
一応寝室だから備えとして厳重にしてあるんだけでね〜」



「何時もは執務室から出入りしてるから
この鍵だって滅多に使わないから安心してよ」



へらへら笑って指で鍵束を回す男の言葉に、もう一度ドアを見やれば
木製だと思っていたドアは
よくみれば金属性のものをわざとそうは見えないように
細工されていることが見て取れた



「なんで執務室から入らなかった」



ふいに浮かんだ疑問をそのまま口にすれば
男はへらへら笑いを引っ込めて
輝かんばかりの満面の作り笑顔を浮かべた



「何となくかな」



(うそだ)



ザンザスは男のわざとらしい程の作り笑顔を見て
嫌な予感をひしひしと感じた



「なにが・・・・「ボンゴレっ!!!!」



ザンザスが言葉を発すると物凄い勢いで例の執務室に繋がるドアが開き
一人の男が叫びながら部屋に入ってきた



「あぁ、やっぱりあっちで待ち伏せてたな・・・・」



その時聞き取れるか聞き取れないかという音量で
ボソリと零れた男の面倒臭そうな呟きに
ザンザスは何故かとてつもなく嫌な予感と
分かってたならなんで避けたのかという疑問を
本能的に飲み込み気付かないふりをして
大きな音を立てて開かれたドアに目をやった










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