long.001

□Hold me tight2(2)
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ズカズカとこちらにやってくる両目の色が違う男に目を向け
ボンゴレと呼ばれた男は



「骸・・・・リボーンまでどうしたのさ」



そう言い放つと男は心底面倒臭そうに重いため息を吐く

気付くと最初に部屋に入ってきたオッドアイの後ろにも
真っ黒なスーツを着込み帽子を被った細身の男が立っていた



「どうしたじゃありません!
貴方に子供が出来たって聞いて駆け付けたんですよ?!」



骸、と呼ばれたオッドアイの男は
焦ったように声を張り上げる


骸の慌て様に表情に出さなくても内心動揺していたザンザスは

ボンゴレいきなり腕を引かれ
後ろから覆いかぶさる様な形で抱き締められた

(ザンザスは周りと比べれば大人びているが実を言えばまだ九歳だ
いくら小柄な方とはいえ、成人などとっくに済ませた大人と比べれば
後ろから抱きこめば当然、覆いかぶさる様な形になる)


いきなりの事に眼を見開いたザンザスの頭に顎を置き

ボンゴレはニコニコと楽しそうに笑って
出会って半日、本日何回目分からない問題発言を
これまたさらりと放った



「この子が今日から俺の息子になるザンザスだよ
二人とも可愛がってやってねぇ」



「「「・・・・はぁ?!」」」



部屋に居たニコニコ笑う男以外の三人の声が見事に重なった







遠慮なく向けられる視線に、ザンザスははっきり言ってイライラしていた



男の問題発言に見事に固まった三人を
問題発言を放った本人は気にも止めずに
立ち話もなんだから、と
ザンザスにとってはほんの少し懐かしいセリフを言って
隣の執務室にズルズルと引きずっていったのだ


それから執務室にあったソファに三人を半ば強制的に座らせた


骸とリボーンが大きなソファの端と端に座り
それに向かい合う形でボンゴレとザンザスが座る


それだけなら何も問題ないのだが
ボンゴレは広いソファの真ん中で
何故かザンザスを膝の間に座らせて後ろから抱き込み
ニコニコ笑いながら座っていた



離せ、という意志をこめて自分より上にある頭を見れば
にっこりとわざとらしい程の笑顔で返され
その手の中から抜け出そうとしたが
やはり抜け出せないようにガッチリと抱き込んでくる

そうなれば、もはやされるがままにするしかない



ザンザスは自分の頭上でかわされる骸とボンゴレの
いまいち噛み合ってない会話(ボンゴレは話をはぐらかすのが上手いらしい)と
最初からずっと自分に注がれるリボーンの刺さるような視線に
これからの自分の生活を想いため息を吐いた


とりあえず自分の父親になった男には
悪い虫が多く付いているらしい



(この後まだ大勢の虫が執務室に飛び込んでくるのを
ザンザスはまだしるよしもなかった)



ボンゴレ二十七歳、ザンザス九歳、親子生活始まりだ










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