long.002

□Hold me tight3(1)
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・・・・頭が痛くなった


気のせいか本当にガンガンと鈍い痛みがする気分だ


どうにかして落ち着こうと、頭を痛める原因である
この状況をなんとかしようと

今日自分の父親になった男を見上げたが
その男に張りついていたのがあの胡散臭いヘラヘラした笑顔だと認識し

すぐに抵抗と言う文字は俺の脳内から掻き消えそうになった

でも諦めてはいけない
諦めたら本当にコイツの思うままだ



「「「冗談じゃない」」」



とりあえず心からの感想をこぼすと
何故かあとの二人とも声が重なった



「一緒の部屋ってだけでも許せないのに
同じベッドで寝るなんて絶対駄目ですよボンゴレ!!!」



オッドアイの男は声を荒げ
ビシッとこちらを指差した


こいつの物言いと態度はかなり気に食わないが
その意見には大賛成だ



「いいじゃない、親子なんだし」



それにスッパリと切り返したボンゴレ、と呼ばれた男は
後ろから俺を抱き込んだ

抵抗しても男が離さないことはもう経験から解っていた



(身に染みる、とはこういうことだろうか
だが自分は男と出会ってまだ一日しか経っていないはずだ)



ぐんなりと、なされるがままにしていると視線を感じた

見上げれば骸と呼ばれたオッドアイの男が
恨めしそうにこちらを睨んでいる

いきなりあらわれた自分に対しての警戒かと思ったが
ぼそりと呟かれた『ボンゴレの添い寝・・・・羨ましい』のセリフに
頭痛が増した気がするのは忘れてしまいたい



「ベッドも広いんだし大丈夫だって」



男はそう言い切り、俺を抱き込んだまま
鼻歌でも歌いそうなくらいの上機嫌で寝室のドアを開けようとする



「・・・・・・・・」



この時の心情はもうどうにでもなれ、だった



「あっ!ボンゴレ!!僕はまだ納得してませんよ?!」



さらに食い下がるオッドアイに
男は俺を抱き込んだまま(いい加減離せ、と言ってやりたい)
ドアノブに手を伸ばす



「どうせ二人だけじゃないし」



「・・・・一体何人で寝る気だ」



頭上から聞こえた言葉に物凄く嫌な予感がして問い掛ければ



「・・・・3・・人?・・かな?」



と非常に微妙な答えが返ってきた



「まぁいいじゃない!
じゃあね、お休み〜骸、リボーン」



男はそう言うと二人にヒラヒラと手を振り
ザンザスを引っ張りドアの向こうに消えていった



「・・・・子供じゃなかったら絶対に許してません」



骸は苦虫を潰した様な表情でそう言うと
ボンゴレが行ってしまったなら
もうこの部屋に居る必要もない、と
フラリと自室に帰っていった



一方寝室では



「なんだこれは」



「え?寝室だけど」



「そうじゃない、コレはなんなんだ」



ザンザスが指をさした所には
一匹の雄のライオンがベッドの横に行儀良く座っていた








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