那岐の部屋

□†守りたいだけ†
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断られるのを承知で、聞いてみた。

「あしゅなら、庭に居ると思うが…それともまさか…この私に?」
確かに、僕があなたを気にするなんて…誰も考えつかないこと…

「此処では話しにくい事なのか?」
周りを見回してあなたは言う。
こくっと頷くと、あなたは僕より先に部屋を出ていった。

ちひろの部屋にあった、炎の欠片。あれは、どんな意味があるのだろう?ずっと気になっていた。


「君の部屋へ行った方が良いのか?」
「…はい」
いつもより素直に答える自分に苦笑いする。


「書庫以外に、入ったのはあしゅの部屋以来だ」
「ところで…コレは?」
ちひろの部屋から拝借しておいた、欠片を机の上に置く。

「…そんなもの!まだ持っていたのかあの姫は?」
「…するとかなり古いものなんですね」
僕は、欠片を手に取って光にかざした。

「不用意に触らない方が良いだろう…古くても危険だ!」
「…っ!」
びっくりしてもう少しで床に落としそうになった。

「ふふ…冗談」
「え?」
なーさてぃあが笑った?

「あの幼い姫の優しい言葉に惑わされ…ふふ…古い話です」
「でも、今は同じ船に居ますよね!」
僕はこっそり笑いながら言った。



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