那岐の部屋

□‡なっとお‡C
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ダントツのぶっちぎりで遠夜の勝ち!

まあ、あれだけ身体が柔らかいんだから…どんな状況もクリア出来るって…僕の言った通りでしょう?

「はあはあ…」
遠夜?
まさか全種目参加…
「大丈夫か…」
本当にビックリした。


いくら遠夜がタフでもあんまりじゃないか!


最後のリレーが終わって遠夜の姿を探す。



ケホ…ケホ…
え?
誰かが遠夜の身体に重なってる?


「遠夜!」
僕は大きな声を張り上げる。影だった?僕が近づくと身体を曲げて咳き込んでいた。


ヒーヒー言いながら僕を見つけたらしい。
「すまない…」
え?

遠夜が僕に謝る理由が分からない。
「誰か居たの?」


ん?
「分からない…ケホ…ケホ…」
胸を押さえて苦しそうだった。

「帰るか?」
あ…うん…

僕が手を差し出して繋ごうとしたら…
空を切った遠夜が土に吸い込まれていった。

「遠夜!」
僕の声は歓声にかき消されてしまう。
「那岐…?」
布都彦が僕の声を聞いて来てくれたらしい。

「遠夜が…」
僕が終わりまで言わないうちに布都彦が手を貸してくれた。


ケホ…ケホ…





「柊…」
僕の怒りの矛先は…
「まあまあ…帰って良いですよ」
風早の一言で無いものとされた。


「良ければ…」
布都彦が手を貸すと言ってくれた。
「悪い…頼めるか?」
僕1人でどうにか出来る気もなかったから。


ケホ…ケホ…

遠夜の咳は治まらない。んー。
「病院へ連れて行くか」
ああ…


一番初めに見つけた時の黒い影を思いだした。
あれは一体何だった?
「意識がなくなるって…」足先の泥を拭くと血がついていた。


遠夜…


「那岐が悪い訳じゃ」
布都彦が僕の手を握って言う。

でも…


「遠夜…」




続く
20101109
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