那岐の部屋
□†守りたいだけ†
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何度か戦った人を目の前にして不敵だったか?
誰かのるーとでいや、風早以外のるーとでは必ずあなたと戦った気がする…
だから…
今しかない。
「不思議な人だ…」
僕を正面から見据えてあなたは言う。
「敵に対して言う事ではないのでしょうが…」
そっくりそのまま、あなたに返したい。
「落ち着きますね」
言葉使いが柊に似ている。僕より一回り程は上だろうか?
ちひろが見たらきっとびっくりするだろうな…
「あなたは、姫と?」
「いえ…今は風早でしょ」
なるほど…とあなたは、いやに納得する。
「ん?」
「姫の…仲間なんでしょう?」
仲間か…今はあなたも僕たちの仲間では?
「そうでした…うっかり…ふふ」
楽しそうに笑う。
こんなに綺麗に笑うのか…あの切羽詰まった…声を聞きたいなんて…僕も相当…危険だ…
「お気遣いありがとうございます…」
急にあなたは俯いて僕に一礼する。
「何故?」
「姫の記憶を封じたのは私なんです…」
知ってますよ。
でもそれは、ちひろの為には丁度良かった…
何も覚えていなくて良かったのだから…
「いいえ、こちらこそ、ありがとう!」
最大のお礼に聞こえたら良いのに…
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