ちすざくの部屋
□‡旅立ちのうた‡②
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ふーっ…
那岐？
オレは悲しいなんて思ってないよ…那岐が目を開けてくれたら…それで…
｢にゅうめん…｣
作ろうとしていたけど…
那岐が離れないでって言うからオレはずっと那岐の傍にいる。
ぐうーっ？
｢とーや？｣
僕のためにお腹空いてたんだ…ごめん…
｢那岐？｣
ふふっ！
｢作ってきて｣
僕のために餓死なんて笑えないよ…
ああ…
いや…すまない…
お腹をポンポンと叩きながら遠夜がキッチンへ去る。ふうっ！
何してるんだか…バカじゃない？
どれだけ自分を追い詰めても消えない記憶が僕を泥の底に沈める。
那岐？出来た！
ん？
さっき確か…
｢那岐…起きてる？｣
真っ赤な顔で…
｢うん…｣
すまない…無理させた。
ふうっ！
｢とーや？｣
つづく
2010.03.24.