捧げ物
□探偵だよ リンクさん
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――まだ朝日が昇っていない早朝。
俺はゆっくりと起き上がり、眠たい目をこすっていつもの服に着替える。
まだ寝ているであろうメンバー達を起こさないように、ゆっくりと1階の食堂に降りていく。
だがいつもならまだ誰も来ていない筈なのに、今回は先客がいた。
「よぉ・・お前が朝早くここにいるのは珍しいな」
「あ・・・おはよう、リンク兄ちゃん」
俺の存在に気がついたのか、先に食堂の席についていたネスは俺の方を向き、にこやかに挨拶した。
その笑みにつられ、俺も微笑んだ。
「今日はどうしたんだ? いつもなら7時半ぐらいに起きてくるのに」
時計を見ると2本の針はまだ6時を示していた。
「なんか今朝は目が冴えちゃってさ・・・でもたまには早起きもいいでしょ?」
と本人はそんな事を言っているが、まだ目をこすってるし、たまに欠伸もしている。
やせ我慢だな、と俺は心の中で思ったがあえて言わなかった。
その代わりもう少し寝るように促した。
「我慢せずにまだ寝てろよ。8時に食堂集合なんだからさ」
するとネスは首を横に振り、少し小さい声で言った。