捧げ物
□君は僕のシモベ
2ページ/6ページ
そんなリュカの表情に誰も気がつかないまま、鬼を決めることになった。
何故かリュカが鬼になりそうな時だけ、なにかと理由をつけて鬼にさせないようにした。
話し合いの結果、やっと鬼が決まった。鬼になったのはネスだった。
「よし僕が鬼だ。隠れ場所は屋敷の敷地内だったら何処でもいいよ。20秒数えるから隠れて隠れて」
5秒もしないうちに皆は走り出し散り散りになって隠れ場所を求めた。
(敷地内だったら何処でもいいんだよね。だったら屋敷の地下の物置にでも隠れようかな)
そう考えたリュカはこっそり地下の物置に入った。
幸い他のメンバーはここには隠れていないようだ。
「良かった・・・まだ誰もいない」
ホッとしたリュカは、物置の奥に置いてあった古く、使われなくなったクローゼットの後ろにあった僅かな隙間に隠れた。
その頃ネスは、最初に見つけたトゥーンに問い詰めていた。
その後ろで見つかったポポ達がその様子を見守っていた。
「ねぇ、リュカ知らない?」
問いかけられたトゥーンは不気味なほどの笑みを浮かべたネスを見つめ、震えていた。
「ぼ・・・ボクは知らな・・・いよ・・」
ネスはさらに怯えたトゥーンの耳に顔を近づけ、あえて優しそうな声色で言った。
「ちゃんと教えてくれれば、君の罰ゲームは無しにしてあげる。どう? 悪い条件じゃないでしょ?」