梶九字の気まぐれ文章


□気になる先輩
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最近、気になる先輩がいるんだ。

「ねぇ先輩」
「乱打始めー!」
「…ねぇ、先輩!」
「おらそこ一年!サボるんじゃねぇ!!」
「ねぇ先輩ったら!!」
「ぅお!?何だ越前いきなり!!」

いや、今のは気付こうよ先輩。

「あのさ、これ先輩の?」
「あ?」

俺の手の平を、コロンと一つの飴玉が転がった。

「部室にあったんだよね…。コレあんたの?」

綺麗なピンク色の包装の小さな飴玉。到底先輩には繋がらないけど。

「おっ、俺じゃねぇよ!!」
「………ふーん」
「な、何だよ…っ」

頬が紅いの、コレが先輩のって証拠だよね?

「じゃあ先輩にあげる」
「はっ!?何を勝手に…っ」
「はい」
「聞けよこの野郎!」

無理矢理先輩の手を掴んでその手の平に落とした。

「俺からのプレゼントってことで」

そして真っ赤になった先輩の頬に一つキスをする。

「……ーっ!?」
「もう一つおまけでプレゼント。受け取ってよね」
「な、な、な……っ?」

拒否権のないプレゼントは、相当先輩にダメージを与えたようだ。
まぁ、先輩面白かったから少しの事は見なかったことに。

「先輩、また遊んでよ」
「い、嫌だ……っ!!」
「……可愛い」
「っ!?」



俺には今、好きな先輩がいる。





fin.

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