拍手御礼小説

□お花見しましょ
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★お花見しましょ★






ある春の日に、届いたのは1通の招待状。






『日曜の正午。お花見しましょ』









「おお〜。やってるやってる♪ すごい人じゃねえか!」


「一応、全員に招待状は出したんやけど、一体、何人来てくれるのか…(ドキドキ)」


「お前、そんな弱気でどうするんだよ? 一応、ここの管理人なんだろうが?」


「はあ、まあ…。一応、そう名乗らせてもらってますが…(ビクビク)」


「まさか、こうやってこそこそ隠れて見てるのって、自分から花見に誘ったくせに誰も来てくれてなかったら悲しいからなのか?」


「!!(ドッキーン)」


「チッ。図星か」


「…………(汗)」


「しっかし、こんだけ他の花見客がいたら、招待した奴らを捜すのは一苦労だぜ? ………おっ?」


「?!」


「あそこのベンチにいるのって………」













「………桜、綺麗ですね」


「………ああ(君の方が綺麗だ…)」


「…………」


「…………」


「………あの、何か飲みませんか?」


「あ、俺ジュース買ってくるわ。新城君、何飲む…?」


「あ、僕が買ってきます。東さんは座ってて下さ」


「いいから、いいから。新城君はここにいて」


「いえ、僕が!」


「!」


(ひ、東さんの手が…)


(あ、新城君の手を掴んでしまった! や、柔らかいなあ)


「……ここに、いて? …………もとむ、くん…」


「!! は、はい…」










「何だ、あいつら。中学生カップルか? 手を繋いだまんま、固まっちまってるぞ? 初々しいねえ〜」


「……よく考えたら、もしかしてこれが彼らの初デート?」


「てめえ、管理人のくせにあいつらにデートの1つもさせてなかったのか? 酷い奴だな」


「……(本当の事なので、何の反論も返せない)」


「にしても、あいつらを後ろからじっと見てるガタイのデカイ奴らは、あんたの知り合いか…?」


「ひ、東3兄弟の兄と弟!」


「何か、あいつらの上の桜だけ、散ってないか…?」


「ふ、不憫や…(あんたらにも、きっとオイシイ思いさせたるからな!)」


「お? あっちは何か賑やかにやってるな………」








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