拍手御礼小説
□PON缶オールスターズ〜海水浴へ行こう〜
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青い海 白い雲
どこまでも続くぬけるような青空
カラリとした日差しの中、聞こえるのはセミの声。
「夏や〜!!!」
「いきなり叫ぶな! このバカ管理人が!」
「うう、世間はもうじき夏休みやっていうのに、わたしには当然、そんなもんあらへん。世の中、不公平や、ブツブツ…」
「何、隅っこで独り言言ってる? はっきり言って気持ち悪いぞ?」
「大体、花見だって行けんかったし…大人にやって休みは必要や。フフフ、中石だって、そう思わへん?」
「管理人。気持ち悪いから死んでくれ」
「くそ〜。こうなったら仕方ない! また、あいつらを巻き込んでやる!!」
「おい、まさか?! 戻ってこ〜い、管理人!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「フフフ…。若い男がいっぱいおるな。引き締まった腰に、無駄のない身体付き。…あの子は攻めと見せかけて受けやな…」
「おい」
「ホラ、そんな肉食系女子ばっかりに声かけんと、あっちにおる色白シャイボーイに声かけな…」
「おい。営業妨害するんなら、他でやれ。お前の事が怖くて客が寄り付かへん」
「お前って、仮にも管理人に向かって! そんな口の悪い子に育てた覚えはないのに…」
「育てられた覚えないし。大体、何、勝手に招待状なんか出してるんや」
「だって海に行きたかったから…」
「1人で行け」
「1人でなんか淋しいやんか! どうせなら、カワイイ子達のいちゃつく様子を見物したいやん」
「キモッ」
「キモいって言わんといてよ、星。ほら、こうしてあんたの海の家を手伝ってあげてるやんか!」
「勝手に海の家の無料券なんか作りやがって! しかも全員に配っただと?! 一体、PON缶ワールドに何人おると思ってるんな?! 俺の店の売り上げは?!」
「わたしのもんは、わたしのもん。あんたのもんは、わたしのもん…」
「お前の頭でスイカ割りしてやろうか、ああ?!」
「やめて!! 今月のスローガン『管理人をいたわりましょう』…」
「ヌーノ! 調理場に置いてある木刀持ってきて」
「きゃあ〜。やめてえ〜! あっ、ほら、客来たで! 笑顔、笑顔!」
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