拍手御礼小説

□PON缶オールスターズ〜ラブラブ?デート編〜
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(テツ×環の場合)





いつものように土曜の早朝トレーニングを終え、食堂の中に入ってきた俺は、きょろきょろと栄さんの姿を探していた。


「あれ、…いない?」


でも、いつも「朝ご飯食べましょうね」と優しい笑顔で出迎えてくれる管理人・栄さんの姿はどこにもなかった。
食堂の中は、がらんとしていて人の気配が全くない。







「あ、環君…」


「おい、純也。栄さんは?」


「あ、それが急に実家の方で不幸事があったらしくて、十三郎さんと一緒に里帰りしたんだ」


「え! 不幸事?!」


「うん。叔母さんが亡くなったとかで…。帰ってくるのは、週明けになるみたい」


「そうか…」







いつも世話になっている管理人親子(正確には姑と嫁だが)に不幸事があったと聞き、俺は眉を潜めた。


「朝ご飯は、おにぎり握ってるから、それ食べてって言ってたよ」


「栄さん…」


どんな時でも自分達の事を考えてくれている人に、思わず熱いものが胸に込み上げてくる。






「お〜い。イケメン代表の耕一君が帰ってきましたよ〜」






その時。
玄関先が賑やかになり、ドカドカと足音が食堂に近付いてきた。


「お前、また朝帰りか…」


「あれえ? 妬いてるの、環チャン」


「てめえ…」


「カワイイなあ、やっぱり。あんな何考えてるのか分からない奴なんかやめて、俺に乗り換えるか?」


「黙れ」


「あんな奴より、テクもあれもかなりいいもんもってるし?」




これ以上、聞いていられずに拳を奮おうとした瞬間。




「先輩に触んな」




シャワーを終えて食堂に入ってきたテツが、すっと俺と耕一の間に立った。
ぬっと現れた巨大な壁に、以前なら口惜しさを感じていたが、今はどことなく安心感を覚える。


絶対に口に出して言う事はないが。



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