Short2
□私の体に永久休暇
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「俺、」
「ん?」
「このまま殺してしまうかもしれん」
私の首に手をかけ、言った。どこか悲しそうな顔をしているからきっと本気、彼は本気。彼の顔をぼーっと見ていたらぐっと喉が圧迫された。
「いいよ、別に」
「え?」
「仁王なら、いい」
「……」
「すきにしていいよ」
「…同情なんかやめんしゃい、」
べつに仁王に同情してるわけじゃない。ただわたしは仁王になら殺されてもいいと思っただけ。仁王がわたしの世界の終わりなんてむしろ素敵だし、仁王を見ながら見られながら逝けるなんてこのうえない幸せだと思ったから。だから、
「ねえ、はやく、」
仁王は相変わらずわたしの首に手をかけたまま、動かない。指にちょっと、自分の体重をかければいいだけなはずのに。所詮、人間なんて脆いものでいくら心臓だとか脳みそだとか肝臓膵臓腎臓胃なんかがすごい機能をしているんだとしても、首をぽきっとしちゃえばみんなぴたりと止まっちゃうんだから。
それにほら、そろそろ疲れたでしょう心臓脳みそ肝臓膵臓腎臓胃、わたしが生まれてからずっと休まず働きつづけてきたんだから。だから休ませてあげるよ、お疲れ様。
「…まだ?」
「…おまえさん、」
「ん?」
「狂っとる、」
そう言ってわたしの上に倒れ込んできた彼の頬はなぜか濡れていた。なぜかなんてわかってるけど知らないふりをしておこう。だって、
ペテン師の涙なんてみたら逝くに逝けないじゃないか
(私の体に永久休暇を)
(はやく、ねえ、はやく)
END
――――――
何 が か き た か っ た の 私
たぶんあれだね、うん。
テスト勉強とかいうなんかで菘の思考回路がショートしてしまったのかもしれない、うん、きっとそうだ。しかもテスト前に更新だなんてどうしよう私、