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うそこマフィアパロ戦闘シィン。
エーデルシュタインファミリーVSブラギンスキファミリーをお楽しみください(笑)
バッシュの瞳が栗色の髪の青年を捉えた。その手には、例のプログラムが入った小さな小さな匣が握られている。
「トーリス…!!貴様裏切っていたのか!」
「やだなぁバッシュさん。裏切るもなにも俺は二重スパイですから。最初から貴方達側になんていませんよ…」
「…!!」
そうさ、俺はスパイ。生き残る為にはどんなこともしてみせる…
***
「我々の情報を漏らしたのはトーリス君ですね」
「おや、これはこれは。いつから御存知で?」
「なんだか、不自然な点をいくつか彼から見つけましてね…かといって問いただす訳にもいきませんでしたので」
紅牡丹を抜刀する。暗闇のなか、青白い液晶の光のみが二人を捉える。
「まぁ、アルフレッドさん達が来るまで楽しみましょうよ?」
そう、ほんの少しの間だけ────
***
ぎゃん、がっ、がきぃいいん!
「しぶといのね」
「そりゃコッチの科白だ!」
一際派手な音を立て、二人は睨み合う。
「そこをどきやがれ…女だからって容赦しねぇぞ!」
「女だからですって?ふざけてるんじゃないわよ…」
ナターリヤはさらにナイフを取り出すと、くるくる宙に放り投げて弄ぶ。鬱陶しそうにプラチナブロンドを払いのけ、吐き捨てるように云った。
「私は兄さんの為ならばどんな犠牲も厭わないわ…そう、兄さんの願いは私の願い。邪魔をされる訳にはいかないのよ。だから」
だんっと床を蹴り、ターゲットに向かって突進する。
「あんたは、私がここで消す!死ね、ギルベルト・バイルシュミット!!!!」
***
何故でしょう、ありえませんわ。
彼はもう、戦えないはず。
「どうして──ですの?」
クララの問いかけにライヴィスは応えない。否、答えることが出来ないのだ。暴走した細胞により、思考回路を遮断されてしまい只の戦闘兵器と成り下がった彼に、クララの声は届かない。
クララは強く唇を噛むと、リボルバーを回し弾を装填した。
彼の為にも、この戦いを早く終わらせなければ。
私は知っている。この子がどんなに優しい子なのかを。
だから───
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