08/18の日記
01:55
奥様と死線の青(戯言)
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奥様と人類最強の続編です。
「ちょーちゃん、ちょーちゃん」
「今日はお誘いありがとう。どうしたの、友ちゃん」
「ちょーちゃんに会いたかったんだよ」
部屋中が機械のコードに侵食された部屋でそう言って私に飛び付いて来る青色が目につく女の子を私は受け止める。玖渚 友。それが彼女の名前だ。
「友ちゃんみたいな可愛い子にそう言ってもらえる私は幸せものだね」
「そう思ってるんならちょーちゃんももっと私に会いに来て欲しいな」
そう言って彼女は笑う。ただの一介の専業主婦である私の何が彼女の気を引くのかはわからないが彼女は私に熱っぽい視線を送る。
「それは難しいかな。私にはあの人がいて、娘がいるから」
私の答えに彼女はむくれたような表情になる。それは私が彼女のものになることを暗に断っているからだろうか?
「ちょーちゃんとあの人は釣り合わないよ。別れて、私のものになって」
「嫌だよ」
短く否定の言葉を紡ぐ。友ちゃんは私にまくし立てるように詰め寄る。
「なんでなんで。あんな凡庸な一般人とちょーちゃんじゃ住んでる世界が違うのに。格が違うのに。それとも子供がいるから?安心して、ちょーちゃんの子供ならあんな低俗な一般人の血が混じっていようと大事にするよ。そうか、あの一般人にちょーちゃんが愛想つかすような恥をかかせれば」
「友ちゃん」
私は諌めるように友ちゃんの名前を呼ぶ。その声音は恐らく無感情なものだっただろう。
「それ以上はいくら友達でも許せないよ。あの人は私の最愛の伴侶なんだから。もし危害を加える気なら」
私は゛調停者゛として相手になるよ。
私の言い分に詰めよっていた友ちゃんはその手を離し私を見る。
「やだよ、ちょーちゃん。調停者に戻るなんて言わないで、謝るから」
「……ごめんね、でも私はあの人の妻として、あの子の母としてそのくらいの気持ちだから」
さあ辛気くさい話はやめやめ。とりあえず部屋の掃除から始めようか。主婦魂が騒ぐぜぇ。
登場人物
奥様
若い頃は調停者という存在でやんちゃしてたみたい。今は家族第一。
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