‡REBORN‡

□嫌悪感
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「荷物はウチが持っていっておくから」

オレが学校へ行くため靴を履いているとスパナがそう言ってきた。

「うん。ありがと、スパナ」

オレは立ち上がるとスパナに抱きついた。
肩ぐらいまでしか身長がないのが少し悔しかったり。

「スパナ、気をつけてね」

オレが言うとスパナは笑った。大袈裟な、ということか。
でも、なんとなく心配になってしまうのだ。

「あんたもな。気をつけな」

妙に真面目な顔で彼は言う。

「ん?」

「いや。とにかく、ウチ以外にこんな風に抱きついたりしないでよ」

は。やっぱり中2にもなって人にベタベタするのはよろしくないのだろうか。

「う、うん。わかった」

オレがそう言えばホッとしたようにスパナは笑った。

「いってらっしゃい」

ポンと髪を撫でられる。
オレは手を振って中学へと急いだ。





今日は早く起きたはずなのにいつもとあまり変わらない。
スパナとの別れを惜しんでましたって言っても風紀委員長は見逃してはくれないだろう。
風紀委員長とはスパナにも負けず劣らず日本大好きなヒバリさんだ。
愛校心も素晴らしくてそのせいか規則破りに対しての容赦なさはハンパない。
その恐ろしさ故彼は恐ろしい人に認定されているのだ。
といっても、オレはあまりヒバリさんが怖くない。
……なぜなら。
うしろからエンジンの音が聞こえてきてあ、と思う。

「綱吉」

うしろから声がする。
振り向く間もなく“彼”はオレの横に来ていた。

「おはようございます。ヒバリさん」

大きなバイクに跨ったヒバリさん。
流石、と言いたいところだけど校則どころか法律違反のような。

「遅刻したくないなら乗りなよ」

「いいんですか」

「いつものことでしょ。歩いていきたいなら止めないけど?」

勿論遅刻した場合は罰則だからね、と付け足されてオレは有り難く乗せてもらうことにした。

「お願いします」

オレは言ってバイクをよじ登る。
なかなか座席まで辿り着けないオレにヒョイと手が差し伸べられた。
ヒバリさんにすがってようやく乗ることができた。
最近毎朝のように乗せてもらっているのに未だなれない。
あんまりにもオレの遅刻の回数が素晴らしいからわざわざ拾いに来てくれてるのかな、と思ってしまうほどに本当に毎朝よく会うのだ。
まぁ、こんなヒバリさんだからオレはあまり怖いとは思っていない。
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