‡REBORN‡

□chocolate box
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授業も全て終わり、ツナは帰る準備をしていた。
机の中から大量の教科書を引っ張り出してカバンに詰め込んでいく。
いい加減、勉強道具全てを学校に置いていくのはやめた方がいいのではないかと思ったのだった。
ツナがだんだん入りきらなくなってきたカバンと奮闘している間に教室の人間はどんどん少なくなっていく。

―どうせ今日持って帰ったって勉強しないんだから明日にしちゃおうかな。

半分ほど入れ終わってからその案を思いつき、今度は溢れだしていた教科書類をカバンの中から少し取り出して机の上へと並べていく。
そんなツナの後ろから、はぁ、と呆れ果てたような溜め息が聞こえてきた。
はっとしたツナが手を止めて振り返ればそこにはクラスメートの六道骸がいた。

「骸……、まだ残ってたんだ」

驚きが声にでてしまう。
いったいいつからいたのだろう、と思いつつも、まだ人が残っていたことにホッとする。

「君の方こそ、まだ片づかないんですか?」

骸は机の上の荷物を視線で示した。
もっともである。

「手伝いましょうか」

続いて骸の口からでてきたのは意外にも優しい言葉だった。
嬉しくなったが

「ううん、あとはしまうだけだから」

と言ってツナは手早く教科書を机の中に突っ込んだ。
なんとなく自分の片付けが終わるまで骸がそこから動かないようなそんな気がしたからだ。

「ほら、おわった」

にっこりと笑ってツナは席を立ち上がり、重くなったカバンを頑張って肩にかける。

「それはよかった」

言いながら骸はツナとの距離を詰めてきた。
かと思えば

「綱吉、君はチョコレートは好きでしたっけ?」

などと唐突に問うてくる。
ツナはポカンとしてしまった。

「え」

「ですから……、好きですか、と」

妙に真剣なその声と、骸の整った顔が間近に迫ってきていることとにツナは少し赤くなってしまった。

「す、好きだけど……」

躊躇いながらも答えると、では、と一つの箱を差し出された。
普段使っているノートと同じくらいの箱。

「ぇ…、えと、骸?」

「君にあげます」

話の流れからして中身がチョコレートなのは間違いない。
だが今何故自分に?
しかも、相当な量だ。

「こんなに悪いよ……」

「あげると言っているんです」

そう言われても、なかなか受けとろうとしないツナ。
骸は苛立ったようにその手に箱を押し付ける。
それから、彼は何かを言おうと口を開きかけた、が。
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