‡REBORN‡

□奈落
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今更ながら理性的なふりをしようとしても、彼はそれを一瞬で突き崩す。

「むく、ろ……?ちょうだい、よ」

早く。言いながらふら、と寝台から降りて手を床につく。
そうして、四つ足の体勢になると僕に腰を突き出した。
閉ざされた入り口が開いて僕をいざなうように直腸が覗く。
幾度となく僕を受け入れたその入り口は、早く挿れてとでも乞うかのようにヒクと蠢いて。僕は誘われるがままにしゃがみこむと、彼のアナルに口付けた。
唾液でそこを慣らしてやろうと舐めてやる。
ぐちゅぐちゅと音を立てるくらいにそれを流し込み絡める。
しかし、綱吉はいやとでもいうかのように首を振って僕に囁くのだった。

「早く……挿れて……?」

かすれたような切羽詰まった声はひどく色っぽい。
あぁ。

「痛いですよ?慣らさないと」

それでも、僕は今にも溢れそうな欲望を抑えて言った。
彼はそんな努力すらも首をひとふりするだけで無に帰すのだが。

「……いい、よ。痛くても。……それより…早く……」

愛されているのだと思い込みたい。
彼が欲しているのは、愛しているのは、僕ではないと分かってはいるのだけど。
それでも、そう願わずにはいられないのだ。

「……わかりました」

僕は彼の熱烈な懇願に仕方なく応えてやるのだ、という建て前のもとそう告げる。
本当に相手が欲しいのは自分の方だというのに。
僕は瓶の口を開くと中から錠剤を3、4粒取り出す。
そして、それらを物欲しげに開く彼の後孔へと挿入した。

「あ、入ってる……」

嬉しそうに呟く綱吉。
僕は彼のアナルに薬を挿入する名目で押し入れた指でしばらくその中で遊ばせていたが、彼の後孔の伸縮を感じるたびに抑えが効かなくなっていった。
僕はずる、と指を引き抜くとすでに隠しようもなく欲望を湛えた陰茎を外へと導き出した。
それをすでにとろけそうになっている彼の後孔へと押し当てる。
潤滑油などなくても、そのまま僕のねじ込む陰茎を受け入れていく。
どろどろじゃないですか、と揶揄するように囁いてやれば羞恥のためかぎゅとアナルが締め付けられた。
僕はその心地よさにうっとりとする。

「やっ……、骸っ!」

僕かさらにその奥へと挿入を進めれば、びくんと身体を震わせて彼は嬌声をあげた。
そのあまりにも愛らしすぎる声は僕のために紡がれたのか、あるいは、薬のせいなのか。
考えるだけ無駄なのに、考えずにはいられなくて苦しい。
その痛みと、煽られるままに高まっていく熱とを吐き出すよう僕は彼の名前を呼ぶのだった。

「綱吉」

と。
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